今宮健太と栗原陵矢が実戦復帰 フルスイング披露も…共通する”焦り”「もう余裕はない」

栗原陵矢(左)と今宮健太【写真;飯田航平】
栗原陵矢(左)と今宮健太【写真;飯田航平】

守備でも軽快な動き

 脇腹を痛めてリハビリを行っていた、今宮健太栗原陵矢両内野手が、12日のウエスタン・くふうハヤテ戦で実戦復帰した。「2番・遊撃」の今宮は2打数1安打1打点。「3番・三塁」の栗原は2打数無安打だったが、3打席目に四球を選んだ。ともに5回で交代となったが、両者ともにフルスイングを披露するなど、復調をアピールした。交代後に報道陣の取材に答えた2人のコメントは以下のとおり。

〇栗原陵矢選手

――久しぶりの実戦を振り返って。
「すがすがしい気持ちで試合ができました」

――患部の脇腹はどうか?
「ちょっと気にしながらですけど、別にそんなに痛みはないですし、気になりながら、しっかりできたって感じです」

――フルスイングできているような印象だった。
「そうですね。本当にいい緊張感の中で、いい打席にしたいなと思って入りました。そういう打席が最後の打席も含めてできたのでよかったと思います」

――きょうのテーマは?
「全力で振る、投げる、走るができればいいかなと思っていました」

――患部の回復具合に点数を付けるとしたら?
「70、80点くらいです」

――今後はどのような段取りで1軍を目指す?
「打席数、イニング数を少しずつ増やしていって、しっかりとフルで守れる試合を作れるように、と思っています」

――守備機会はなかったが、グラウンドに立ってみて、改めて感じたことは?
「やっぱり楽しかったです。野球をやっていて。上茶谷が投げている姿を初めて見て、なんか楽しかったです」

――今後に向けての意気込み。
「体の状態もそうですし、技術においても結果をしっかり出していきたいと思っています」

――焦る気持ちがありながらやってきた?
「もちろんですよ。チーム状態もいいですし」

――結果を残した上で、ということにはなると思うが、どれぐらいで1軍に戻るビジョンか?
「いや、ないですね。もう僕はないんで。それはもう、1軍の方々が決めることなので」

――リハビリの過程では、少し急いでやってきたのか、それとも予定通りだったのか?
「急ぎはしました。もちろん。自分が出ない時に周りの選手が出る。ポジションがなくなるっていう世界ですし。1年1年が勝負の世界でやっていますし。焦らないことはないです」

――ライブBPなどと比べると、力が入ったスイングに見えたが。
「スイングの力というよりも、集中力というか。打席での集中は全然きょうの方がしています」

――3打席目の四球でも、その集中力を感じた?
「そうですね」

――守備機会がなかった。
「打球が飛んでこなくても緊張します。いい緊張感の中でやっていますし、変わらずです」

――出場は5イニングだったが、不安が1個取り除かれたような感じか?
「明日の体の反応を確認してからですね。もっとイニングを増やしていったりとか、守備機会があった中でどうなのか、というところなので。数をやりながらって感じです」

――あしたも5イニングくらいの予定か?
「いや、言えないですね。復帰戦だけ見に来るみたいにされるとあれなんで(笑)あしたはわからないです」

今宮は2度の守備機会…「守る方は問題ない」

〇今宮健太選手

――5イニングの出場。実戦を終えて。
「無難にやれたかなと思います」

――患部の状態は?
「全く問題ないと思ってます。しっかり練習の中でも振って(試合に)入れましたし、もう二度と同じことを繰り返さないように、というのはすごく思っていたので。とりあえず1日終わりましたけど、問題ないのかなと思います」

――安打に犠飛と、結果も出した。
「2軍の試合に怪我をして出ているっていうのも、3回目だったので、ガンガン行くよりは、実戦というか、1軍に近いような形の中で入っていきたいと思ったので。その中で、しっかり仕事ができたのかなと思います」

――1軍を想定しての打席だった。
「どういう状況で(1軍に)戻ったとしても、繋ぐという仕事は変わりないと思うので。あしたもゲームがありますし、そういったところを意識しながら、結果は残せたかなと思います」

――2回ほど守備の機会があった。
「守る方は問題ないかな。打つ方が問題なければ、守る方も問題ないと思います。そこが一番大事になってくると思いますし。ですけど、結局打たないといけない。ゆっくりする時間もないですし、この中で結果を残して早く呼ばれるように、1日1日頑張りたいなと思います」

――今後の予定は?
「あしたは長いイニングになると思うので。試合に出ていきながら、体に張りを持たせて、しっかり対応していきたいと思います」

――1軍復帰に向けての意気込み。
「この6試合がいいからとか、3試合でいいから上がる、という問題ではないので。しっかり結果を残さないと、(1軍に)上がることはないと思います。今の状況において、それくらい厳しいところにいますので。しっかり結果を残したい。栗原と2軍を盛り上げてやっていきたいなと思います」

――スローイングよりも打撃の方が心配か?
「バッティングで怪我をしているので。あれぐらい振って、『うわっ』となったというのは、どうしても頭の片隅にはあるので。練習の中ではフルスイングした中で、OKだったので。ゲームの中でも、最後の犠牲フライくらいの形で振れれば、問題ないのかなと思います。あとはゲームの感覚的なものが出てくれば問題ないと思います」

――フルスイングはできたか?
「自分なりには結構フルでいけたのかなと思います。でも、やっぱりこの夏の暑さを考えれば、すぐバテてるので、そこは対応しないといけないのかなと思います」

――あえてフルスイングしたようにも見えた。
「しっかり見えたボールは振ろうというか。形どうこうというよりは、ゲームの中で振れるか、というのを1日見られればと思ったので」

――これまで以上に結果を残さないといけないという気持ちは強い?
「それはそうだと思います。戻れたとしても、いきなり(スタメン出場)ってことはないでしょうし。戻った時に、『やっぱり使いたいな』って思われるくらい、やっていかないと。そんな簡単なものでもないですし。実際に結果を残してきている若い選手たちもいる中で、そんな簡単にはいかないと思う。なので、1軍を想定をしながらきょうは行きました。どこかで、自分の判断でバントしたりするだろうし、そういうことも自分の中では大事です」

――死球で離脱した時と今回とでは、復帰に関しても違う感じか?
「ちょっと違いますね。チーム状況も。若い選手が結果を残しているのも事実ですし。それでチームも勝っているのも事実なので。スッと(1軍に)行って、じゃあ出ますかっていう。そんな簡単にはいかないので。自分のできることを全力でやっていく、ということをきょうから意識してやった方がいいと思ってたので。それを継続してやっていきたいなと思います」

――焦りというよりは、モチベーションに変えてという感じか?
「モチベーションに変えている部分もあります。だけど、正直に言えば、もちろん焦りはあります。ないわけがないので。怪我も3回目なので、もう余裕はないですよね。なので、『負けるか』っていう気持ちできょうからやっていこうと思っていた。それを前面に出しながら、やっていきたいなと思います」

――左脇腹の怪我は今まであったか?
「ないですね。右(脇腹)はあったんですけど、それは全然試合に出られたので」

――怖さは最初はあったか?
「最初はありました。なかなかバットを振るのが嫌だとかで。でも、そうだったら前に進めないなっていう中で、振ってみたら、『あ、振れるかも』っていうところから入って、上げていきました。数も結構こなしたし、スイングの量も、パーセンテージも上げてスイングしていたので。だから、『大丈夫なのかな』という中でスタートしたつもりです」

――きょうはひとつ安心した感じか?
「安心というか、もう問題ないのかなというのはあります。あとはゲームですね」

――守備で腕を伸ばして取る場面も出てくる。
「問題ないと思います。外野の守備をやったりしていたので。それで問題もなかったですし。色々やってきたんで。ここに立つイコール不安を持ってやるっていうのは、よろしくないと思ったので。ここに立つのであれば、不安なくやりたいなって、ずっと思っていた。きょうの感じを思えば、無難にいけるかなと思うんで。またあした頑張りたいと思います。やるしかないので」

(飯田航平 / Kohei Iida)