2021年育成9位で入団…小久保監督も2軍監督時代に知る存在
ソフトバンクは11日、ロッテ戦(ZOZOマリン)を迎えた。試合前に小久保裕紀監督が取材に応じ、育成・山本恵大外野手に言及。2軍で好調を維持する若鷹に対して、具体的な条件を明らかにした。
25歳の山本は東京都出身。国士舘高、明星大を経て2021年育成ドラフト9位でホークスに入団した右投げ左打ちの外野手だ。1年目の2022年は、ウエスタン・リーグで7試合に出場し無安打。翌2023年は5打数2安打を記録したが、9月に左膝を手術した。長いリハビリを乗り越えて、今季は打率.486と、持ち味の打撃面を開花させている。
小久保監督も、2軍で指揮を執っていた2年間で山本のプレーを目にしていた。今の活躍も「映像で見ています」という。「ダントツ」という言葉を使って、現在地を表現した。
「今ならダントツで近いんじゃないですか。バッティングは入ってきた時から非凡なものがありましたよ。今は、凡打の内容がいいですね。あとは、1軍でどうか。1軍でスタメンとなれば、100%昇格ですけど。今ここにいるメンバーもね、柳町もいれば、左ピッチャーなら佐藤直樹が出るでしょうし、チーム状況、スタメンの人との比較になるでしょう」
山本も理解する現状「同じくらいだとダメ」
昨年のドラフトで、ホークスが支配下として指名したのは投手3人、内野手3人。外野手は指名しなかった。小久保監督も「左の外野はね。でも、近藤がいない今がチャンスでしょう。帰ってきたら、なかなかね。(山本は)注視していきます」と続けた。近藤健介外野手が4月2日に「外側型腰椎椎間板ヘルニアに対する全内視鏡下椎間板ヘルニア摘出術」を受けた。オールスターまでには復帰できる見込み。2桁背番号獲得へ突っ走るなら、今しかない。
山本本人も、現状は理解している。外野手の層は厚く「近藤さんが帰ってきたら難しくなることはわかっています」と危機感も忘れない。打率.486という驚異の成績だが「他の選手と同じくらいだとダメだと思うんです。2軍なら、その中で一番打っているくらいじゃないと、きっと上がれない。7月になったら、僕以外の選手の調子がよくなっているかもしれないじゃないですか。ここで一気にいかないといけないです」と強調した。自分の存在が欠かせなくなるまで、とにかく打ちまくる。
この日のオリックス2軍戦(京セラドーム)でも3打数2安打。4月1日から1週間、ヒットが出なかったが「やっとトンネルを抜けました」と笑みを浮かべる。「去年も打てなかった時がありましたし、その時は『どこで力を入れて、どうスイングしてたんだろう』って感じだったんですけど。今は自分の形ができていると思います」と自己分析する。1軍監督の耳に、自分の状態は届いている。現在の支配下は65人。「5枠」という狭き門を、必ず自分が掴み取る。
(竹村岳 / Gaku Takemura)