東浜の“今後”…管轄は1軍のままになる
ソフトバンクの2軍は9日、ウエスタン・リーグの広島戦(タマスタ筑後)に4-0で勝利した。先発の東浜巨投手は7回2安打無失点の好投。大竹風雅投手、川口冬弥投手とバトンを繋ぎ、広島打線を封じた。打線は4回2死一、二塁から重松凱人外野手と庄子雄大内野手が連続適時打。庄子は7回にも適時二塁打を放つなど2安打2打点の活躍を見せた。試合後、松山秀明2軍監督と、小笠原孝2軍投手コーチ(チーフ)が取材に応じた。一問一答は以下の通り。
●松山2軍監督
――東浜投手の投球は。
「すごいね。きょう本当にすごかったです。完璧ですね。横から見ていてもボールのキレ、コントロール。打たれる気はしなかった。(結果も)その通りですよね。100点です」
――前回登板よりも、いい内容。
「よかったですね。きょうが今年の中では一番だったんじゃないですか。去年の良かった時、2軍でもずっといいピッチングをしていたけど。その時よりも球威もある。149キロが出ていたのかな? キレもスピードも出ていたので、言うことなしです」
――本人も、ここから状態を維持したい、と話をしていました。
「春先はよかったので。1年間調子をキープするのは難しいことですよ、1年間はできないです。去年も夏場までずっとよかったし、そこまで続けていることも立派ですから。いいチャンスが回って来ればと思います」
――小久保監督も1軍に帯同させると言っていた。当然、管轄は1軍のまま?
「そうです。1軍が決めていくことです。僕らは久しぶりに見ましたけど、1軍の投手の球だなって感じです」
先制打は育成・重松…コーチと話した「きょうは違う」
――先制打は重松選手。
「久しぶりにね、シゲも。バットに当たらなかったからね。バッティングも、1打席目に彼のイメージからすると、変わったなって感じがしました。村松(有人2軍打撃)コーチと『きょうは違うね』って話をしていたんですけど。あれくらいの感覚なら、ボールをしっかりと叩いていけるんじゃないかと」
――2軍戦は1試合5人しか、育成選手は出場できない。その中で、2軍に帯同している選手が多いのは?
「これはコーディネーターの人が分配したりしています。そういうことをだいたい決めるので。逆に、2桁の選手も2軍に入れてこの数なので、仕方ないですよね。不思議な現象が起こっていますけど。きょうも5人目を使ったところで、もう使えないので。その辺のやりくりは大変です」
――9回に登板した川口投手はいかがでしたか?
「良かったんじゃないですか? キレも戻ってきたというか、キャンプ中盤には疲れもあったけど。最近はまた勢いが戻ってきている。続けてくれたら」
――東浜投手ほど1軍レベルの選手がくれば、かなり存在感は目立っているように感じました。
「そうですよね。相手の力量を見ながら、この選手ならどれくらいにおさまるのか。目安がありますよね。きょうなんかは典型的、イメージ通りというか。逆に言えば、巨くらいの投手を、バッターからすれば勝負できるようにならないと。巨も、言うならうちの枠ではギリギリのところにいる選手。だから僕らも当然、いい投手と対戦した時に自分たちがどれだけ対応できるのか。それが評価にもなるし、2軍の中でも上と下がある。どうやって攻略していくのか、自分たちの基準にしていかないといけないです」
●小笠原コーチ
――東浜投手の投球は。
「1軍の投手のボールですね。キレがあるから低めも伸びる。一番はキレが印象的でした。簡単にいうと、間違いが少ないです。そこの差がありますね」
――投げたいところで、投げたいところに投げられていた。
「そういう印象です」
東浜から感じた“1軍レベル”…「やるべきことをやっていた」
――2軍戦では、これだけ圧倒できる。明らかに1軍レベルの投球だった。
「今の状態が物語っているかなと。1軍の投手が2軍で投げたりすると、打たれたりもするんです。シーズンに入って1軍の投手が1軍の(ような)投球をすると、相手バッターが振らなかったりする。『なんで振らないの?』ってこともあれば、『そこ振るんだ』っていうことが起こるんですけど。きょうの巨の場合は、1軍と思って投球していましたね。やるべきことをやっていたと思います」
――この登板に対する集中力を感じました。
「対バッターもそうですけど、1軍をイメージして投げていた印象ですね」
――本人とお話はされましたか?
「(試合の)途中で。やりたいことはできたんじゃないかと思います」
――リリーフでは大竹投手、川口投手が登板した。
「大竹は、課題でもあるフォークの抜けが1球あった。その後に修正して三振を取っていた。それは収穫でした。川口も同じで、真っすぐは強いですし、田中(広輔)選手にも自信を持って投げ込んでいた。ああいうのはできるんですけど。あとは、少し球が高いですね。最初なんてホームラン(9回無死、宇草が右飛)なので。(打球の)数値がホームランでしたから。だから高さは思い知ったんじゃないですかね」
「あとはフォーク。最後は低く投げられましたけど、もう少し。そこの確認はできたんじゃないですか」
――田中選手という実績あるプレーヤーと対戦できること自体が貴重。多くのものを得ないといけない。
「その通りです。きのうの宮崎(颯投手)も、相手が田中選手という中で、当てさせなかった(結果は空振り三振)。それは収穫でした」
(竹村岳 / Gaku Takemura)