降格のリチャードは「逃げられない」 指揮官が語る2軍の“明暗”、栗原に「伝えていること」

出番なしに終わったリチャード【写真:竹村岳】
出番なしに終わったリチャード【写真:竹村岳】

育成右腕を絶賛…2軍戦初先発を呼んだ「推薦」

 ソフトバンクの2軍は5日、ウエスタン・リーグのくふうハヤテ戦(タマスタ筑後)に1-6で敗戦した。2軍戦では初先発となった育成の井崎燦志郎投手が、5回無失点の好投。最速は152キロを計測し、4三振を奪った。その後は木村大成投手、岡田皓一朗投手、大城真乃投手が登板した。打線では笹川吉康外野手が3安打1打点、佐藤直樹外野手が2安打を放った。試合後、松山秀明2軍監督が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。

2軍戦に先発した井崎燦志郎【写真:竹村岳】
2軍戦に先発した井崎燦志郎【写真:竹村岳】

――井崎投手が先発。
「最初、マウンドに上がって投球練習、1球もストライク入っていなかった。ヨーイドンでは心配でしたけど、初球はストライクだったので。それで僕も安心しました」

――5回まで投げた。
「初めてなので、(要素は)球数であったり。内容的には、素晴らしい内容で、良かったですよね」

――なぜ、井崎投手がこのタイミングで2軍戦初先発となった?
「ずっと流れの中で、ここがちょっと“谷間”じゃないですけど。じゃあ、誰をいかせましょうかとなった時に、彼がいいんじゃないかと。コーディネーターから推薦がありました」

――監督も、なかなか投球を見たことはなかった?
「去年のフェニックスリーグから、今年の2月にかけては見ていたので。球の力があることは、ずっとわかっている。課題はコントロールにあったんですけど、きょうは変化球も低めに投げられていたし、真っすぐもストライクゾーンに力のある球がいっていた。それがよかったですね。もともと3軍では先発で投げていて、若いですから。先発をしていくことで対戦する打者が多くなる。そこで投手としても成長してほしいです」

松山秀明2軍監督【写真:竹村岳】
松山秀明2軍監督【写真:竹村岳】

――現在の支配下は65人。あと5枠という中で山本恵大選手や、宮崎颯投手も含めて、いい競争ができている。
「今の育成の選手たちに関しては、まだチャンスが当然残っているわけなので。掴み取るためには結果を出していく。そうじゃないと、チャンスは巡ってこないから」

――3月14日に開幕したウエスタン・リーグ、少しずつ選手の中でも明暗が分かれてきた。
「2軍の方も1か月は経っていないですけど、いい人と悪い人が見えてきた。逆にいうと早い時期に悪いものが出たら、修正すればいい。チーム状況は今よくないですけど、選手個々の課題に関しては明確に出ているので。選手の弱点、これから必要なことをやっていくために、ミスが出た方がいい時もあります」

リハビリ組の栗原に言及…今後の予定とは?

――2軍に降格したリチャード選手と会話はされましたか?
「きのうのきょうで、彼も1軍の打席にたくさん立たせてもらって、成績が出なかった。当然落ち込んでいますけど、でも、結果が伴っていないのが現実なので。ここからどう向き合っていくか。さっきの話じゃないですけど、2軍選手もたくさんミスが出て課題が明確になっている。リチャードも、1軍でダメだったことに対して自分の課題を分析すること。この世界は向き合っていくしかないので。もう逃げられない。なんとか成長して技術を上げていくしかないと思います」

――ベンチスタートだった理由は?
「彼は、10日間は1軍には上げられない。他にも使いたい若い選手はいますし、チャンスを与える必要がある。だけど、リチャードは10日は待たないといけないですから。だからきょうは、まあまあまあ。チャンスがあればとは思いましたけど、こういう試合になったので」

リハビリ中の栗原陵矢【写真:竹村岳】
リハビリ中の栗原陵矢【写真:竹村岳】

――栗原選手の復帰も近づいている。
「だからね、みんなで競争していけばチームの総合力も上がっていく。まずはチーム内の競争。年齢は関係なく、2桁(背番号)である以上はみんなが1軍でチャンスがありますから。目の色変えていってほしいです」

――今後の予定は?
「『結構バッティングはしています』と前向きなことは言ってきましたけど。彼は強くて、前向きですから。思ったより早く復帰できるのかなというのはありますね。同じところを痛める方がチームにとってもよくないので、『万全の状態で戻ってきてほしい』とは伝えています」

――廣瀬隆太選手が1軍昇格。入れ替えは1軍のニーズだとは思うが、彼の状態はどうでしたか。
「廣瀬と佐藤直樹はずっと状態がいい。1軍もそれは理解してくれていたので、廣瀬に関してはいいタイミングで上がっていけたんじゃないかなと思います」

――二塁を守る印象が強いが、三塁起用も視野に入れて1軍に昇格した。
「もともとサードも、(2軍でも)3日に1回とかで守っていました。動き自体も、サードに合っていますよ。去年入団してきて、チーム事情的にセカンドができればというところで、挑戦させましたけど。サードの動きにも順応はできると思います」

――井上朋也選手が、スキルコーチと3日間の打撃練習。2軍に再合流した。
「外に逃げていくボールに対して、柔軟に対応できていない。そこはどうですかね。彼はそこに課題があるので。そこを意識しながら練習していくことをスキルコーチと話をして、3日間やったんですけど。ずっと課題なんですよ。彼の股関節の硬さ、膝の柔軟性というのはルーキーの時から課題がありました。ちょっと他の人より硬さがありますから。そこに柔軟性をどうつけていくか。守備にしても、少し腰高になりやすい。そういうことを克服できるように」

(竹村岳 / Gaku Takemura)