山本恵大が2軍で17打数11安打…オリ戦でも値千金の同点打
ウエスタン・リーグが開幕して2週間余り。ここまで17打数11安打、打率.647と打ちまくっても、慢心はなかった。「正直、怖いんですよ」。育成4年目の25歳、山本恵大外野手は表情を緩めることなく、そう言い切った。
今春キャンプを筑後で過ごし、悔しさから始まった今季。ここまで出場した2軍戦6試合全てで安打を放ち、29日のオリックス戦(タマスタ筑後)では2点を追う9回1死二、三塁で起死回生の同点三塁打を放った。まさに絶好調だが「バッターって調子とかもあるじゃないですか……。ここはもう練習から真剣にやっておかないと」と兜の緒を締める。
3月中旬のオープン戦では“体験入学”とはいえ、初めて1軍に合流。貴重な2打席を経験した。開幕前、小久保裕紀監督は「レフトは競争」と明言。支配下昇格へ、指揮官から与えられた“条件”とは――。
29日のオリックス戦、2点を追う9回1死二、三塁。4球目を豪快に振り抜いた。甘く入ったストレートを右中間に運び、一気に三塁へ。サヨナラ勝利を演出した。「去年、2軍で悔しい結果に終わってしまった。今年はなんとしても2軍で結果を残してっていうの目標にしていたので。それが繋がっていて、いい感じです」とはにかんだ。
3月に1軍のオープン戦へ合流した際には貴重なアドバイスももらった。牧原大成内野手から「持っている以上の力は出せないからいつも通りやっていけよ」との言葉を受け、気持ちを落ち着かせることができた。
「空気感とかを知れたのがまず良かったなと。1軍に行ったことがなくて、いざ支配下に上がって上に行ったらなかなか、多分気持ち的にも負けちゃう部分あると思うんですけど。そういう経験できたのはまず大きくて、走塁とか守備とかをやらないとなっていうのを感じました」
1軍最後に挨拶…小久保監督からの“金言”
村松有人打撃コーチも「(1軍合流後も)ずっと同じような感じで地に足をつけて、浮き沈みせずに練習している」と評価する。そんな1軍同行中、小久保監督から言われたのは「打ち続けろ」という言葉だった。
「3連戦が終わって挨拶に行った時に。『打ち続けろ』みたいな感じでした。(小久保監督が)すごい見てくれていたので。2軍、3軍の試合でも打つしかない。めちゃくちゃ早くから練習しています。早く寝て早く来て、準備して。すごい野球やってんなって感じです。遠征先でもあまりご飯行かないんですよ。次の日に備えるために」
指名打者に柳田悠岐外野手が入り、開幕から2戦は左翼を正木智也外野手が守った。開幕直前に柳町達外野手が2軍落ち。オープン戦で小久保監督は「ハッキリ言って、物足りないですね」と左翼争いをする若手に厳しい言葉を並べていた。
山本はまず、1軍争いの前に支配下争いに勝つしかない。2軍では柳町にアドバイスを求めることもある。「どういう意識で打席に立つんですかっていうのを、達さんと野球やるのは初めてだったので。そういう打っている人の感覚も自分の中で取り入れたいなと」と話す。
支配下枠は残り5。育成では山本の他に、重松凱人外野手が打率.423(26打数11安打)とアピールを続けている。2桁背番号で1軍の舞台に立つためにも、とにかく打ち続けるしかない。小久保監督はその姿を見ているはずだ。
(川村虎大 / Kodai Kawamura)