大学生活は「地獄でした」 上茶谷大河の恥ずかしい記憶…イタイ視線「力みすぎちゃう?」

上茶谷大河【写真:冨田成美】
上茶谷大河【写真:冨田成美】

4月から新生活を送る人へ…上茶谷がアドバイス

 希望や不安で胸がいっぱいになる新生活。ホークスの選手たちも“春”になると浮かび上がる淡い思い出があります。新天地をホークスで迎えた上茶谷大河投手が振り返ったのは、東洋大に入学したばかりの時のことでした。周囲の学生から「あいつ張り切りすぎちゃう?」と言われていたという、ちょっぴり恥ずかしい過去を赤裸々に明かしました。新生活を迎えるファンへの爆笑アドバイスは必見です!

――新生活の思い出はありますか?
「僕、指定校推薦で大学に入ったんですよ。スポーツ推薦って学科が違うんですよ。僕は法学部で、他のみんなは経済学部なんですけど。野球部ってブレザーで授業を受けるんですけど、集団で行ったら部活かなってわかるけど、僕は学部に野球部が1人だったんで、みんなから『あいつスーツ着てんぞ』『え、あれ張り切りすぎちゃう?』みたいな。僕1人で登校して、1人で授業受けて……。半年くらい友達できなかったです」

――野球部には友達はいるけど、野球部以外には友達がいなかった?
「野球部は友達いますよ。学校生活が僕は地獄でした(笑)」

――野球部以外での友達ができなかった?
「『こいつスーツ着てるやん』って。スーツやなくて制服やけどなって心の中で思っていましたけど、『制服やけど』とは言えへんから、片身狭くスーツということにしていました」

――授業もブレザーで行かないといけない野球部の規則。
「そうなんですよ。下級生はブレザー着ないといけないルールがあったんですよ。張り切って1人だけ、ガチガチのスーツで毎日登校してるやつ。サイドバッグ持って」

――法学部の学生からはイタイ目で見られていた?
「いや制服なんですけど、周りのみんなは制服って認識してないからスーツだと思っているんです。だから僕だけめっちゃ浮いていました。スポーツ推薦だったらみんなと行けたんですけど、僕が野球部1人だけの学部だったから。やっと友達ができて、やっと説明できたっていう。周りに聞いてみたら、みんな『スーツやと思ってた』って言ってました。みんな『こいつ力んでる』みたいな。僕も周りからのイタイ視線を感じていたんですけど、何か分からなくて。半年後にようやく謎が解けました」

――これから大学に入学するであろうホークスファンにアドバイスを送るなら?
「初日はスーツで行け!」

――女性ファンに対しては?
「女性もリクルートスーツで行け! そしたら……浮きます」

――みんな浮きたくないんじゃないですか?
「浮きたい人向けに僕は送っています。目立ちたい人は、スーツを着ていったら冷たい目立ち方します。新生活の思い出はそれくらいですね。結構鮮明に残っていますね。やっぱり恥ずかしかったですね、周りの目を感じながら登校するのは。しかも1人で登校してますから」

――指定校推薦で東洋大に行きたい思っていた?
「いや、思ってないです。高校の監督が『指定校でもお前はやれるんじゃないか』みたいな感じで推薦していただきました」

――野球推薦ではないことに驚きました。
「しかも法学部なので、めっちゃ頭いいと思われるんですよ。『こいつ弁護士目指してんねやな』みたいな。いや、一番頭悪い。何ひとつ分からないんですよ」

――先輩から過去の試験内容を教えてもらったりは?
「法学部の先輩がいないです」

――結構大変だったのでは?
「はい。誰ひとりいなかったから」

――必死に勉強した?
「たまたま最初にできた友達が、1、2位を争う頭の良さで。全部その友達に頼んでいました。大変でしたね」

――最近は春の気候に。最初に思い出すのはそのエピソードですか?
「いや、もう1個ありますよ。ベイスターズに入って最初まだ誰とも会ってない時に、自己紹介ムービーを撮りたいみたいなことを広報の人に言われまして。モノマネ得意って言っていたので、ベイスターズの選手のモノマネをしてほしいと言われました。でも、先輩たちとまだ喋ってもいないのにできないですって言ったら、広報の方に『俺から先に伝えておくから大丈夫』って言われたんですよ。で、クリーンアップやったんすよ。『ロペス、宮崎、筒香』って。えぐいなと思いつつも、ちょっと控えめにやったんですけど、それがインスタグラムに載ったんです。そしたらキャンプの最初の投手会の時に、戸柱さんに『お前マジであんま調子乗んなよ』ってマジで怒られました。何が言いたいかというと、“最初は先輩のことを信じるな”ということです。大丈夫と言われても、信じちゃいけない」

――楽しい食事の場なのに怒られた?
「楽しい食事の後に呼ばれて『お前モノマネやっとったやろ。お前絶対やるなよ。調子乗るなお前』って。『大人しくしとけ』って」

――それを解禁できたのはいつ?
「徐々にですね。ちょっとずつ解禁していきました」

――上茶谷大河投手というキャラを少しづつ出していった?
「抑えきれなくて。どうしても抑えきれずに『大人しくしとけ』って言われたんですけど、大人しくできなかった。新生活でワクワクするのもいいけど、先輩の言葉に騙されてはいけない。そして初日はスーツで行け!」

(飯田航平 / Kohei Iida)