首脳陣が語る“開幕マスクの行方”…海野隆司の現状は? 「一番よくない」明かした“懸念”

海野隆司【写真:冨田成美】
海野隆司【写真:冨田成美】

19日から一部練習再開の海野「自分の中では絶対にいけます」

 今季にかける熱い決意が行動に現れていた。中日戦が行われた18日の試合前練習が始まる30分ほど前、本拠地のグラウンドに姿を見せたのは海野隆司捕手だった。高谷裕亮バッテリーコーチを相手にキャッチボールをこなす表情は、どこか焦りのようなものを感じさせた。

 14日の日本ハム戦で走塁中に右太もも裏を痛め、途中交代。ベンチに引き上げる際には右脚を引きずりながら、苦悶の表情を浮かべていた。“ポスト甲斐”の筆頭候補と思われていた27歳捕手の長期離脱も懸念されたが、病院の診断は軽度の肉離れ。20日の全体練習から一部メニュー合流する見通しだ。

 海野自身は14日の試合後、「リハビリに行けと言われれば行くしかないですし。それは自分では決められないので。ただ、自分の中ではやりたいし、絶対にいけます」と強い言葉で思いを示していた。28日の開幕戦でマスクをかぶることができるのか――。首脳陣に現状を聞いた。

「昨年の実績、経験値を見れば、海野がある程度抜けている部分はあると思います。加えて、きょう(14日)有原が投げる時にマスクをかぶらせたわけだから。(小久保裕紀監督に)それなりの意向はあると思います。開幕を見据えたピッチャーとのコンビにはなりますから」

 海野が負傷した14日の試合後、奈良原浩ヘッドコーチはこう口にした。「3・28」を2週間前に控えた段階で、海野に開幕投手とバッテリーを組ませた意味。首脳陣に確かな信頼感は存在する。一方で、復帰できるか否かという点では、シビアな視点を欠かすことはなかった。

「18日に動き始めたばかりなので、今の時点では何とも言えないかなと。もちろん動けなければ(開幕の)メンバーには入れない。痛みがあるようだったら、やっぱりキツイですよね。例えばバント処理ができないとかだったら、チームにとってもマイナスだから。二塁ランナーでバッターが完璧なバントをしても、遅すぎてアウトになるようだったら、そこは難しいと言わざるを得ないでしょうね」

高谷裕亮バッテリーコーチ【写真:冨田成美】
高谷裕亮バッテリーコーチ【写真:冨田成美】

 高谷コーチも海野の姿勢は高く評価している。「思ったよりも軽症だったのは事実だし、本人の『どうしてもやりたい、何としてでも開幕戦に出るんだ』という強い気持ちはもちろん買います」。そう語った上で、「実際に大丈夫という動きかどうかは、プレーを見ないとわからない部分はあります。状態が悪化して長期離脱が一番よくないので」と慎重な姿勢は崩さなかった。

「開幕戦でマスクをかぶるのがゴールじゃない。1年間トータルで考えることも大事です」。高谷コーチが語った言葉は説得力があった。正捕手争いはシーズンに入ってもしばらく続きそうだ。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)