栗原陵矢は「長くかかるかも…」 2日間で様変わりした“見解”、首脳陣が明かした「現状」

11日に行われた巨人とのオープン戦で負傷交代した栗原陵矢【写真:冨田成美】
11日に行われた巨人とのオープン戦で負傷交代した栗原陵矢【写真:冨田成美】

12日は「間に合う」から14日は「分からない」…首脳陣の方針が変わった背景

「(復帰するまでの時間は)ちょっと長いかもしれないです。開幕に間に合うかどうかも分からないですね」。14日、小久保裕紀監督がこう説明したのは右脇腹を痛めている栗原陵矢内野手の状態だった。2週間後に迫った28日のシーズン開幕戦にむけ、不安は募るばかりだ。

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 11日に行われた巨人とのオープン戦(長崎)。2回の守備で三塁方向へのファウルフライを追った栗原がフェンスに激突し、途中交代した。担架で運ばれるショッキングな光景ではあったが、翌12日に取材対応した小久保監督は「開幕はいけるんじゃないですか」との見通しを明かしていた。

 12日に鷹フルの取材に応じた栗原は「わかんないです。大丈夫かどうか」と現状について率直な思いを口にしていた。2日間で状況に変化は生じたのか――。首脳陣の考えに迫った。

「今回はバットを振って痛めたわけではなくて、(フェンスに激突した)衝撃によるものなので。スイングでさらに状態が悪化したら、それこそ復帰までに2、3か月はかかってしまう。本人が『振れます』というくらいになれば、もちろん(開幕戦に)出てもらいますけど。痛みがあるにもかかわらず、無理をして28日に合わせてもらうということにはならないと思いますね」

 奈良原浩ヘッドコーチが明かしたのは、“二次被害”だけは絶対に防ごうという方針だった。「プロである以上、開幕戦の舞台はやっぱり特別だから。そういう意味で出たいという思いは当然あるでしょうけど……」。栗原の思いを推し量った上で、重要なのは「先」だと語る。

「極端に言えば、無理して開幕に合わせることで、その後の142試合を棒に振るわけにはいかないので。開幕が大事という考え方もあれば、1年間トータルが大事という考え方もある。本人が痛みもなく、無理せずにプレーができるかどうかで変わるかなと思います」

 首脳陣の立場として、あくまで選手の将来が第一だ。「28日に絶対出てくれとは言わないですね。監督もそこは言わないと思うので。無理して開幕に合わせました、すぐに重症化しました、それで2、3か月離脱します、の方がよっぽど痛いですからね」。

 あくまで開幕戦は2週間先だ。患部の回復具合が順調であれば、先発メンバーに栗原の名前が載る可能性も十分にある。大前提は、チームの柱となりつつある28歳を長期にわたって失うことがあってはならないということ。首脳陣が慎重に慎重を重ねるのは当然の選択だろう。

(長濱幸治 / Kouji Nagahama)