同時に告げられた降格と“開幕投手”「悔しさの方が…」 前田悠伍が明かした複雑な胸中

前田悠伍【写真:冨田成美】
前田悠伍【写真:冨田成美】

2軍降格と同時にファーム開幕投手「しっかりと投げないと」

 さっぱりとした短髪で心機一転、もう一度1軍の舞台を目指す。2年目の前田悠伍投手は4日のヤクルトとのオープン戦(みずほPayPayドーム)で1回無失点の好投。アピールを続けていたが、同日の試合後、小久保裕紀監督が「あしたからファームです。開幕ローテ(の争い)からは外れます」と2軍行きを明言した。

 降格が告げられてから1週間が経過した11日。前田悠はタマスタ筑後で汗を流していた。キャンプ終盤、開幕ローテーションから外れることが告げられたのと同時に、2軍開幕投手も合わせて言われていた。「どちらかというと悔しい思いの方が強かったです」。複雑な胸中を明かした。

 パーマをやめ、刈り上げた短髪から汗が滴った。「もうパーマいいかなって。朝とか面倒くさいので。満足しました」。ゲン担ぎはしない主義で、2軍降格が理由ではない。それでも「周りはこっちの方が良いって言ってくれますね」と納得の仕上がりだ。

タマスタ筑後で汗を流す前田悠伍【写真:川村虎大】
タマスタ筑後で汗を流す前田悠伍【写真:川村虎大】

 今オフ、メッツの千賀滉大投手と短期間の合同トレーニングを実施。さらにカブスの今永昇太投手とともに自主トレも行った。キャンプは2年目にして初のA組(1軍)に選ばれ、そのまま完走。しかし、キャンプ終盤にはローテーションから脱落することを告げられていた。

「2軍の開幕はしっかりと投げないといけないなっていう気持ちもありましたし、1軍を外れたという悔しい思いもあった。どちらかというと悔しい思いの方が強かったです。でも任されたというところはしっかり投げないなと思っているので。そこでいい投球をできるように」

 足りなかったのは“出力”だった。「球速もそうですし、アピールしないといけないところでしきれなかったので。キャンプ後半に真っすぐで抑えきれなかった」。下半身を中心に「根本的なパワーをつけたい」と鍛え直している。

 14日、タマスタ筑後で行われる中日とのウエスタン・リーグ開幕戦に先発する。2軍開幕投手は期待の表れでもある。「調子的には本当にいい状態に来ていますし、1軍につながるようなピッチングがしたいです」。まだまだ成長できる。悔しさを持ちつつも、前を向いている。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)