愛弟子の渡邉陸も名前には強いこだわり…「渡邊じゃなくて渡邉です」
馴染みがあるのは、やはり「あきら」だろう。ソフトバンクの中村晃外野手が18日、福岡工業大のグラウンドで自主トレを公開した。「考えておきます」と話したのは、今季の登録名について。「中村」姓がチームで1人になったのは2014年以来。11年ぶりだからだ。
昨オフ、中村亮太投手が戦力外通告を受けた。4年間ホークスに在籍した右腕はロッテに移籍。近年ではその他にも、中村宜聖外野手が2023年オフに戦力外となり、球団スタッフに転身するなど、多くの「中村」がチームにいた。育成選手も含めれば、100人を超える大所帯だが、プロ18年目を迎える背番号7が、2025年はホークスを“代表”する「中村」になる。
1人なのだから、スコアボードや記事内の表記も変わってくる。応援歌にも本名が入るなど、名字だけではなく「中村晃」としてファンにも定着してきた。登録名について、どのように考えているのか?
中村がチーム内で1人になるのは、決して初めてではない。若手時代にも経験しているだけに「なんでもいいですけどね」と気にはとめていない様子だった。一方で「下の名前で呼んでもらえるのが嬉しいですけどね」と、やはり“晃”と呼ばれ続けたい気持ちもある。登録名について「その辺も考えておきます」と、前向きに話していた。
過去の代表例といえば、中日で通算219勝を挙げた山本昌氏だろう。1996年からチーム内で山本姓が1人になったものの、登録名を「山本昌」に変更し、現役を引退するまで貫いた。名字だけではなくファンへの浸透や、自分自身の愛着が表れた例の1つだ。
中村晃は、一塁手として4度のゴールデン・グラブ賞を受賞してきたが、登録は外野手。この自主トレ期間中も、グラブこそ持ってきているが外野の練習は全くしていないという。プロ18年目になるだけに「今さら(内野手に変更するのは)いいかなっていう。やったことないからわからないですけど、手続きとか面倒くさそうですし。支障がないならなんでもいいです」と笑って話していた。
自主トレをともにしている渡邉陸捕手も、名前へのこだわりが強い。インスタグラムのプロフィールには「渡邊じゃなくて渡邉です」と記してある。「よく間違えられるので、正しく覚えていただきたいなっていう。スコアボードも、渡邉だけよりも『渡邉陸』っていうのが僕も気に入っています。晃さんもフルネームで登録してほしいです」と、後輩もささやかに願っていた。“名前事情”も見守りながら、2025年のホークスも楽しみたい。
(竹村岳 / Gaku Takemura)