常に痛みとの闘い…周東佑京が最後に“全力で走った時” 左膝の現状、宮崎Cは行く?

ソフトバンク・周東佑京【写真:冨田成美】
ソフトバンク・周東佑京【写真:冨田成美】

昨年11月に左膝を手術…今月9日に都内で検査を受け「大丈夫でしょう、と」

 現状と、今後の予定を明かした。周東佑京内野手は昨年11月に「左膝蓋靭帯に対する超音波腱剥離術」を受け、以降はファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」を中心にリハビリ組での調整を続けてきた。今月9日、都内で受診した際には「今のところ大丈夫でしょう」と力強い言葉をもらった。

 3か月間のリハビリで重点を置いたのは「ウエートですね」と言う。2021年9月には右肩の手術も受けただけに「(体を)大きくしようとは思っていないですけど、ある程度の強さは必要なので。肩のこともあるし、負担がこないように。下半身のトレーニングができるようになってからも、様子を見ながらやっています」。あくまでも地に足をつけながら、2025年シーズンのためにステップアップを図ろうとしてきた。

 昨年9月30日、左膝の違和感で出場選手登録を抹消された。クライマックス・シリーズで復帰したものの、終盤戦は常に痛みとの闘いだった。“最後に全力で走れた”のは、もう思い出せないほど前のことだ。

「去年は痛い日もあれば、痛くない日もありました。終盤はずっと痛かったですけど、序盤は膝の状態がいい日も悪い日もあったり……。一時は大丈夫な時もあったので、その時は普通に走れていましたけど。不安なくっていったら、ずっと前です。足じゃなくても腰だったりとか、どこかしらの痛みは毎シーズンあるので」

 アイシングや治療は欠かさず、必ず準備を済ませてからグラウンドに出てくる日々だった。アドレナリンが出ていただけに、「試合中は痛くないけど、終わったら痛い、みたいなのはありました。注射も打った何日後は大丈夫でしたけど……」と明かす。プロ野球選手である以上「仕方ないと思います」と受け入れてはいたが、思い切り走れる瞬間がもうすぐ来るかと思うと、リハビリ中も暗くなることはなかった。

「焦りはそんなにないです。もともとシーズンが終わって、トレーニングはちゃんとやろうと思っていたので。逆に手術をして、野球の動作もできなかったことで、トレーニングの時間に充てられたというのはよかったです。(優勝旅行で)ハワイに行ったくらいからは、そんなに膝の痛みもなく。最初は多めに歩いたりしたら痛かったですけど、それもなくなってきたので、大丈夫かなと」

 今後は、2月1日のキャンプインを目指すことになる。今後の監督・コーチ会議で、宮崎と筑後の振り分けは正式に決定する流れだ。周東も「判断するのは僕じゃない」と言いつつも、「最初からいける準備をしようと思います」と表情を引き締めた。宮崎に行くかどうかは「まだわからないです。膝が痛くなったら、リハビリかもしれないですし。そうならないように、やりすぎずですね。やることはしっかりやって、ケアしながら」と冷静に現実を受け止めている。

 昨シーズン中も“勝負どころ”までは我慢をしながら、グラウンドに立ってきた。時には首脳陣から「今日はやめておこう」とストップをかけてもらったが、2025年も「シーズンをちゃんと見るということですね。夏場を過ぎちゃえば、あとは“余韻”でなんとかなるので。痛かろうが、痛くなかろうが、出るところは出るし」と心強い。勝敗を背負おうとする責任感は、もう立派なレギュラーの1人だ。

「そこ(シーズン終盤戦)まで1年間なにもないわけがないし、どこかしら(痛み)があるので。そうならないようにしますけど、なった時は別に、って感じです。トレーナーさんや監督、コーチにはいろいろ気を遣わせるとは思いますけど。やるのは僕ですから」

 チームのために戦う決意は、いつだってできている。「痛かろうが、痛くなかろうが……」。常に全力で走る。

(鷹フル編集部)