「僕が恋人繋ぎにしました」 正木智也と牧原大成…記念撮影でなぜ手を繋いでいた?

ソフトバンク・牧原大成(左)と正木智也【写真:竹村岳】
ソフトバンク・牧原大成(左)と正木智也【写真:竹村岳】

9月25日の西武戦後…リーグ優勝祝福セレモニーが行われた

 記念撮影で「まさかの光景」が生まれた。もしかしたら、手が“暇”だったのかもしれない。今季、4年ぶりのリーグ優勝に輝いたホークス。優勝へのマジックナンバーを「1」として迎えた9月23日のオリックス戦(京セラドーム)で勝利し、歓喜の瞬間は訪れた。優勝後、初のホームゲームとなった9月25日の西武戦(みずほPayPayドーム)終了後にはセレモニーが行われた。記念撮影の際に、なぜか手を繋いでいたのが牧原大成内野手と正木智也外野手だった。

 試合は投手陣の好投が光った。先発のカーター・スチュワート・ジュニア投手が5回無失点。和田毅投手、又吉克樹投手、杉山一樹投手と繋ぎ、9回はロベルト・オスナ投手がマウンドに上がった。ここまで継投で西武打線を無安打無得点に封じてきた。2死からヒットを許し、「継投ノーノー」は逃したものの、無失点リレーで快勝。セレモニーが行われる前の一戦を、しっかりと白星で飾った。

リーグ優勝を果たし記念撮影するソフトバンクの選手ら【写真:竹村岳】
リーグ優勝を果たし記念撮影するソフトバンクの選手ら【写真:竹村岳】

 トロフィーや優勝旗、ペナントが授与され、記念撮影へと移行した。中心には小久保裕紀監督や王貞治球団会長、選手会長の周東佑京内野手らが並び、牧原大と正木は前列の左側にいた。なぜ2人は、手を繋いでいたのか。正木が明かした。

「マキさんが繋いできたっす(笑)。なんでかはわからないですけど、ビックリしました(笑)」

 理由はわからない。前触れも「なかったっす。急に繋いできました」。最初は普通に手を繋いでいたそうだが、「僕が恋人繋ぎにしました」と、正木もちょっとしたユーモアを加えてやり返してみたようだ。

 正木がルーキーだった2022年、牧原大は120試合に出場して打率.301とブレーク。規定打席にはわずか2打席足りなかったが、中心選手としてチームの2位躍進に貢献した。新人だった正木も「マキさんの方から話しかけてきてくれて。ご飯も連れて行ってもらったことありますし、優しいです。怖いってイメージはないですね。しゃべりやすい先輩です」と、積極的に距離を詰めてもらっていたという。

 今季もベンチで2人は隣に座ることが多かった。「話すのは他愛もないことですけどね。『捉えられなかったわ』みたいな」と、試合中でもコミュニケーションは少なくないという。プレーの1つ1つから気持ちがあふれ出る牧原大に、正木も「全部が全力プレーで、(打てずに)ベンチに帰ってきて悔しがる姿も見てきたので。1球、1打席にかける思いが強い人だなって思います」と刺激を受けている。

 右翼を守る正木と、二塁を守る牧原大。「今はセカンドとライトで、そこでも声をかけてくれたり、確認することはしてくれるので。心強いです。こういう打球がくるよ、とか。僕が今、ちょっと(守備位置が)前にいるとか後ろにいるとかも伝えてもらったり。あとはアウトカウントの確認とかもですね」と、守備中も先輩に引っ張ってもらっている。2人の関係性が、一瞬にして表れた“恋人繋ぎ”だった。

(竹村岳 / Gaku Takemura)