前田悠伍は「通用していない、正直」 浮き彫りになった課題…小久保監督がかけた“言葉”

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

ドラ1前田悠は3回6失点のほろ苦デビュー

 ソフトバンクは1日、オリックス戦(みずほPayPayドーム)に8-6で勝利した。プロ初登板となった先発の前田悠伍投手は3回6失点で降板。その後は田浦文丸投手、又吉克樹投手、和田毅投手、岩井俊介投手、杉山一樹投手、ロベルト・オスナ投手と繋いだ。6回に登板した和田は、打者1人を打ち取ったところで降板した。野手陣は、正木智也外野手が7号ソロ、栗原陵矢内野手が19号2ランを放った。5回2死満塁から今宮健太内野手が右中間に3点二塁打。これが決勝点となった。試合後、小久保裕紀監督が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。

――前田悠伍投手が初登板初先発。3回6失点の内容だったが。
「見ての通りメッタ打ちですね。人生初の挫折と言ってもいいかもしれないですけど。ただ、6点ビハインドで負けがつかないところに、前田悠伍っていうのを感じましたけどね」

――投球内容について。
「内容というか、もう通用してないですよね、正直ね。ここから這い上がるしかないと思うので。そういう声はかけましたけど。『今日の日を一生忘れることなく』という話はしました」

――6点差の中で正木選手がソロ、栗原選手が2ラン。
「健太(今宮)もいいところで、今日はここっていうとこで打ちましたし。野手では吉康(笹川)ですかね。笹川がクライマックスに関して、レギュラークラスはもちろん頭から出ますけど、やっぱり競ってるところは調子の良し悪しを見ている時間はないので。いいやつから使うっていう中では、CSのメンバーに、ということも考えようかなというぐらいの活躍ですね」

――逆転後、投手陣が守り切った。
「ちょっと和田(毅)のアクシデントもあったので、少しバタつきましたけど。岩井がイニング跨ぎの予定ではなかったんですけど、しっかり0で抑えましたし。オスナはとにかくクライマックスに向けて状態を上げるしかないので、そこは信じて。状態が上がってくるのを待っています」

――和田投手の状況について。
「まだ病院には行っていないので、登録抹消はせずに様子を見ようかなと思っています。今のところはね」

――シーズン残り2試合に向けて一言。
「勝敗よりもCSに向けての見極めとか、試したいことっていう方に重きを置いているので、変わらずその試合を使い切りたいと思います」

――前田悠投手は自身の現状を知ったというところ?
「これからの取り組み、今からさらにスケールアップしないと厳しいというところでしょう。ただ、ランナーがいない時の初回の球とかね、非常に(良かった)。ですけど、やっぱりクイックというか、ランナーを背負ってから、球があれだけ落ちると、それは捕まりますよね。課題はハッキリしていますし、オフに全ての面でパワーアップして、全ての球種をしっかりレベルアップするという点では、いい教訓になったんじゃないですか」

――春季キャンプの時から前田悠投手を1軍で使ってみたいと言っていた。
「2軍ではそこそこ抑えていたので。ただ、2軍と1軍の差っていうのを今日一番感じたのは悠伍だと思うのでね。今日の日を忘れることなく。必ずや将来的にはローテの軸になるピッチャーだと思うので、上がってきてほしいというか、初の挫折からの、ここからの姿を楽しみにしたいです」

――1軍のレベルを高卒1年目で経験できた点では大きい。
「のらりくらりよりは。あれだけわかりやすいノックアウトの方が彼にとってはプラスと捉えています」

――笹川選手に期待して、川瀬に送りバントのサインを出した?
「そう。あとは、その前もヒットで出た後、走れって言ったらすぐに走って、なかなか見ていてワクワクする選手ですしね。さっきも言いましたけど、CSは調子のいい選手から使っていくので。レギュラークラスはもちろん使いますけど、それ以外の選手はいいなと思う選手から使うので、いいアピールしていますね」

――オスナ投手は残り2試合も9回を投げる?
「セーブシチュエーションじゃなくても、今日は9回に投げるっていうのを決めていたので。あと多分1試合しか投げないので、連投も今日で終わったので。これはこれで、練習も使いながら(状態を)上げていくってところですね」

(飯田航平 / Kohei Iida)