「落とせないと思っていた」小久保監督が明かす胸中 避けたかった“最悪の想定”

ソフトバンク・小久保裕紀【写真:栗木一考】
ソフトバンク・小久保裕紀【写真:栗木一考】

有原航平が8回無失点で13勝目…小久保裕紀監督も「本当に頼もしかった」

 ソフトバンクは20日、オリックス戦(みずほPayPayドーム)に4-0で勝利した。先発の有原航平投手が8回無失点の好投でリーグトップに並ぶ13勝目を挙げた。打線は、2回に周東佑京内野手が先制の適時二塁打。3回は今宮健太内野手に6号ソロ、8回1死二塁では栗原陵矢内野手に17号2ランが生まれて、効果的に追加点を記録した。試合後、小久保裕紀監督が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。

――有原投手の投球は。
「本当に頼もしかったです。立ち上がりはピンチだったんですけど冷静にゼロで戻ってきてくれたので、得点が少ない中で粘ってくれました」

――今宮選手もソロ本塁打を含む2安打。存在感があった。
「(周東)佑京が先制打を打って、その次の回にすぐホームランで追加点というのは、今日の展開的にも大きかったです。バントミスとか嫌な流れもあったんですけど、それでも相手に流れを渡さない有原はさすがだなと思いました」

――栗原選手の2ランも明日以降に繋がっていく大きな内容だったのでは。
「今日の試合を決めると言っていいホームランでしたね」

――柳田悠岐選手が、2軍戦で実戦復帰を果たした。
「打ちました?」

――2打数無安打でした。
「そうですか。これからちょっと映像を見ますけど、長く戦列を離れていますので、自分の中で不安がないようにしてもらうのが一番かなと思います」

――明日以降に向けて。
「ここまできたら、もう調子とかバッティングフォームとか全く関係ないので。このまま突き進んでほしいです」

――8回で有原投手を交代させたのは、113球という球数を考えた。
「7回、8回は行かそうということで、9回は(ダーウィンゾン・)ヘルナンデスで行こうと倉野コーチと話をしていました」

――連敗中で、有原投手に「頼むぞ」という思いがありましたか。
「もちろんです。今日はちょっと落とせないと思っていた試合でした」

――だから、序盤からバントを使っていた。
「終盤なので、前半の戦いとは全然違いますね」

――他球団の結果は関係なく、自力でマジックを減らしていく。
「もちろんです。そりゃ、気にはなりますけど、僕らにできることはそれしかないので」

――改めて、周東選手、今宮選手の活躍について。
「周東はまだそこまで経験はないでしょうけど、侍の経験もしていますし。こういう(頂点が)迫ってくるところは、選手の経験は生きますよね」

――今季、小久保監督は何度か「落とせない」と挑んだ一戦があったと思います。今日もその試合の1つだった。
「今日はそうでしたね。今日は、絶対に勝ち切らないといけないと思っていました。有原がいいピッチングをしてくれたので、なんとか最悪の想定を免れましたね」

――大谷翔平投手が、大記録を達成した。
「“51-51”でしょ? 阿部監督が面白いことを言っていましたね、『貸してほしい』って」

――同じ気持ちですか?
「我々はいるメンバーで頑張ります」

(竹村岳 / Gaku Takemura)