山川穂高にとっての「野球の構造」 見つめた2年前の映像…即答で挙げた復調の要因

ソフトバンク・山川穂高【写真:竹村岳】
ソフトバンク・山川穂高【写真:竹村岳】

「いつも説明しているんですけど、打ちたいと思って打てる世界じゃない」

 スラッガーが語る「野球の構造」とは? ソフトバンクは16日のロッテ戦(みずほPayPayドーム)に4-1で勝利した。先制の2点二塁打を放ったのは、山川穂高内野手。5回1死二、三塁から左中間をライナーで破り、決勝点となった。試合後、囲み取材に応じた。

 ヒーローインタビューでは、インタビュアーから「どんな意識で打席に入ったんですか?」と問われて「こう、こうです……。なんて言えばいいんだろうな、お尻から、こうです」と技術論を展開した。その真意も「話めっちゃ長くなるんです」と言いながらも、明かした。コメントの全文は以下の通り。

――3安打は大きい。
「デカいですね、嬉しいです」

――監督は、軽く振っている感じがした、と。
「力感は、別に一緒なんです。でもはたから見た時に、あれなんですよね。どこまで言おうかな、まあいっか……。体が横に回ると力が入っているように、見えるんです。体が前傾して、こう(縦に)回転が始まると、力が入っているように見えないです。これはバッターの条件です。だからこっち(インコース)を攻めて、のけぞらしていく。でもこれが前傾になってきたら、コンちゃん(近藤健介)がそうですけど、そう(力が入っているように)見えないんです。力もこっち(前傾)に回る方が伝わるので、それが今日、改めて(感じました)」

「今日というより、本当は昨日なんですけど。昨日、ずっと考えていて、2022年ですかね。ホームラン王を獲った時の、構えとかじゃなくて、インパクトの瞬間の映像をコマ送りでずっと見ていたんですけど、簡単に言えば下から出ているんです。(厳密に言えば)下からではないですけど、下から出ているんです(バットの軌道が)。今を見ると、横に回ってしまっていて、後ろで打つか、前で打つかしかできなくなっていたので、それが自分的にはよかったというか。そういうのを練習から意識していました。それで結果が出たので、昨日も打席の内容は良かったので、これならちょっと打てそうだなというのはありました」

――ちょっとずつ打撃が噛み合ってきている印象があったが、その瞬間が具体的に昨日だった。
「具体的に言えば、昨日です。ボールは見えていたんですけど、捕まえる時、バットに当たる時の感覚がちょっと、当たりが薄いのが続いていたので。今日みたいに捕まえられると、自然と外野の頭を越える打球が増えますし。最後、岩下投手からアウトになったのも、良かったと思うので。これは続けていきたいですね。それをもとに言って、ここ(お立ち台で言っていた『こう』)です」

――お立ち台で技術論から入る選手も珍しい。
「常に言っていることなんですけど、いつも説明しているんですけど、打ちたいと思って打てる世界じゃない。やっぱり、技術があって、その技術が噛み合わないと。精神的には、ね。打てないことでメンタルが落ち込むことはあると思いますけど、それが先に来て打てないというのは、あまりないです。ルーキーの時はありましたけど」

――左投手から3安打。吹っ切れたみたいなところはあった?
「そう見えただけだと思います。僕は基本的には初球から振っていくタイプなので、それが捕まえたか、捕まらなかった、か。空振りになっているか、ファウルになっているかの違いだと思うのでそこは、バットの軌道、僕が意識した打ち方がよかったんだと思いますし、それを今日だけで終わらせずに明日以降に続かせることも技術なので。これからまた、確認して、明日いい準備ができたらと思います」

――多くの打撃論をお持ちだと思うが、横回転か縦回転か、というのも、引き出しの1つを開けた結果。
「これまた面白いんですけど、話めっちゃ長くなるんです……」

――無理のない範囲で……。
「横の意識で行って、縦になっている時もあるんです。これが難しいです。横に振っていて、本当に横になっているのであればいいんですけど。縦に振ろうとしたら縦になりすぎるところもあるし、細かく言えば感覚論になるので、その都度見つけていかないといけないんですけど、今回はすごく長く時間がかかっていたので。もうちょっと早く見つけられたらなと、毎日考えるんですけど。早く見つかる日もあれば、なかなか。時間は限られているので、今日はここまでと思って明日を迎えて……。今日は本当に内容が良かったので、そのまま行きたいですね」

――3安打の中では、感覚が良かったものはどの打球ですか?
「センターオーバー(3回2死)ですね。あれは良かったです」

――その方向に飛ぶことがいいこと?
「方向は今日は全部良かったです。全部良かったんですけど、どれもいいポイントで打てたので。その中で、あれをセンターに打てたというのは、デカいです」

――あのセンターオーバーが、バロメーターになるような打球?
「僕は、結果から入るタイプではないです。自分の体の動きと感覚をマッチすれば、それができれば、打球は勝手に左中間から右中間の間(あいだ)に飛ぶようになっているんです、野球の構造的にというか。そこに打とうとしすぎるとちょっとズレちゃう部分もあるんですけど。ホームランバッターは、どっちかというとそうじゃないですか?」

「ヒットを打つタイプの人は、佑京(周東)とか、わからないですけど。徹底的に反対方向に今日は打つんだ、とか。今日はめちゃくちゃポイントを前にして打つんだとか、投手によって変えたりする時もあると思うんですけど。僕は基本的に、今日はメルセデス投手だからどうするとか、明日誰だからどうするとかは基本的にないです。どの投手でも同じように、打つのが本当は一番いい。ホームランを量産しやすいです。だから、バロメーターということはないですね」

――感覚がマッチすれば、自然とそこに飛ぶ。
「そう思っています。レベルが低いのかもしれないですけどね」

――登場曲も変えた?
「登場曲は、気分です。登場曲とか、香水とかはゲン担ぎレベルです。あとは基本的に変えないです。そういうのは『昨日4タコしたから変えてみようか』とか、ネックレス変えてみようとか、そういうのはありますけど、あとは一緒です」

――2打点以上、記録したのが久々。
「結果として嬉しいのは間違いないです。それも自分の打ち方さえできれば、きっとついてくると思っています。本当に。今思うのは明日の1打席目から今日の感覚で行けるようにするだけです」

(竹村岳 / Gaku Takemura)