ソフトバンクの2軍は15日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(タマスタ筑後)に4-3でサヨナラ勝ちした。9回2死二塁からサヨナラ打を放った廣瀬隆太内野手はこの日、1軍登録を抹消されたばかりだった。1軍で35試合に出場し、再び2軍調整となった23歳の課題はどのようなところにあるのか。奈良原浩ヘッドコーチと村上隆行打撃コーチが語った。コメント全文は以下の通り。
――ヘッドコーチから何か言葉をかけた?
「1軍であれだけ試合に出たわけだから、経験したことはすごく財産になると思うので。経験したことで足りなかったところと良かったところ。良かったところはプラスになるだろうし、課題も自分なりに見つかった部分もあるだろうから、そういうところをしっかりとやって、また上がってこいよっていうような話はしました」
――廣瀬選手も明確な課題を伝えられたと言っていた。
「それは担当コーチからですね。あまりこっちから言って、あっちからもってなると、言葉のニュアンスで、微妙に食い違っちゃう可能性があるので。廣瀬という選手に対して、いろんなところからのアプローチになっちゃうと、選手が迷っちゃうから。だから一本化して、コーディネーターから下ろしていくシステムになっているので」
――廣瀬選手に話を聞いたが、降格を前向きに捉えていた。
「(試合に)出ていけば出ていくほど相手も研究してくるので、簡単にはやっぱり打てないんですよ。じゃあ次回上がってきた時にそういう風に攻められ、データも相手チームに行ってるわけだから、その中で対峙していかなきゃいけないっていうところを考えれば、まだ鍛錬する余地はあるっていうところになるかなと思います」
――2軍ではすぐにサヨナラヒットを放った。
「1軍のピッチャーを見てたらね、簡単とは言わないけど、でも、打ててよかったんじゃないですか。性格的にも前向きな選手だから。一応2軍に落ちたっていう表現にはなっちゃうんだろうけど、もう1回自分の技術を鍛錬する時間があるっていうところになるかなと思いますけどね」
――本人も課題をクリアしていきたいと言っていた。
「やっぱりバージョンアップして、また1軍から声がかかった時に、かなりそういうことやってきたよねって。当然、技術的なところもそうだし、データ的なというか、そういう部分もこの間に精査できるだろうし。どう攻められて、どうやって抑えられたのか。こういう球を打ってヒットにできたっていうのは、そのまま継続すればいいんだけど、そうじゃないところを埋めていく作業は、今後の彼の野球人生にとって必要なことかなと思いますけどね」
〇村上隆行打撃コーチ
――廣瀬選手にはどんな課題を伝えられた?
「打てなくなった時のメンタルの持ち方とか、1軍で失敗したことは全部、成長するための財産。その経験で、都度こういう考え方していくんやでっていうことは伝えてたので。最近はインサイドのボールをどう捌くかっていうところで、ちょっと間違った体の使い方を彼はしていたので、そこを一昨日話して、福岡に帰ってからそういう練習をちょっとやっていこうかっていう話をしていたところだったので。ひとつ霧が晴れたところで取り組むっていうところです」
――廣瀬選手の打撃面の良さは?
「右手が強いバッターなので、それはもうすごく長所なので。それを活かすために左手の、引き手の強化を続けてインサイドを捌けるようになったら、1軍でも打てると思うので。(2軍に)落ちるから降格ではなくて、その幅を広げる経験をしたので、その中で前を向いてやっていこうということを伝えました」
――メンタル面はどのように見ていた?
「図太いですよ。図太いです。ただ、失敗したら『くそ、くそ」ってなるので。失敗したら嫌だとか、結果を欲しがりすぎて、体が寄っていってボールが見えないという形になっていたというのは、メンタルからくるものなので。調子が悪くなってきたらどんなに一流のバッターだって失敗するんだから、『そうなんだ』って割り切りを持てるようにしなさいと。打てなかった時には自分の足りないところを教えてくれているんだから、結果を悲観するのではなくて、前向きに、自分が成長できる幅があるんだと考えて取り組んでいこうよ、っていう形でやっていたので」
――左手の使い方が良くなれば1軍に定着できる実力はある?
「インサイドを捌けるか、捌けないかは、プロで飯を食えるか食えないか。これはどのバッターでもそうなので。だから、自分のバッティングのマイホームを作りなさいっていうことは言いましたけど。まず基準となるところ、安らぎのバッティングのポイントっていうところを作って、そこでの反応っていうところ。そこは彼ならやってくれると思います」
――2軍合流後にすぐにサヨナラ打を放った。
「見ました。いきなり打っていたので、やっぱり持ってるんですよ」