無死満塁でなぜ杉山一樹? 首脳陣が語った理由…倉野コーチにとって「想定外」だったこと

ソフトバンク・又吉克樹に声を掛ける倉野信次コーチ【写真:竹村岳】
ソフトバンク・又吉克樹に声を掛ける倉野信次コーチ【写真:竹村岳】

大関友久の内容は「5回まではここ最近の中ではすごく良かった」

 ソフトバンクは15日、ロッテ戦(みずほPayPayドーム)に5-8で敗戦した。先発した大関友久投手は6回0/3を投げて4失点で2敗目を喫した。7回無死満塁から杉山一樹投手が登板するも、3四球を与えるなど3失点。又吉克樹投手も、ネフタリ・ソト内野手に3ランを許した。試合後、倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。コメントの全文は以下の通り。

――先発の大関投手の内容は。
「10日間の調整期間を与えて、状態を良くしようという話をしていた。5回まではここ最近の中ではすごく良かったかなと思っていますけど」

――急に崩れたというふうに見えましたか?
「急に崩れたというか、6回から落ちてきていたのを……。これはもう本当に僕の反省点というか、6回で継投の可能性もあったんですけど、僕の考えが甘かった。それでチームとか監督に迷惑をかけたと思って、僕の中ではすごく、取り返すことはできないですけど、自分の考えが甘いせいでこういう結果になったと思っています」

――小久保監督は、7回無死二塁から中村奨選手に与えた四球がポイントだったと話していた。異変はあったんですか。
「6回から兆候はあったんですけど、僕はあそこで降りるような投手じゃないと思っていた。7回、もうひと踏ん張りというか『もう1回、力を振り絞っていってくれ』というのは7回の前にも声をかけていました。そこが僕の甘さだったと。チームと監督の判断を鈍らせてしまったのは僕なので、本当に反省しているというか、僕のせいで負けたと思っています」

――今年、イニングの途中で先発を交代させることはほとんどなかった。大関投手の代え時はそれだけ難しかった。
「途中で代えることに関しては迷いはなかったんですけど、無死満塁っていうのが想定外ではありました、正直。あそこで代えること(田村選手を迎えた場面)はほぼほぼ決めていたんですけど、酷な場面でした。そこも含めて、考えが甘かったです。申し訳ないです」

――2番手に杉山投手を送ったのは、三振が取れることを期待した。
「もちろん。あそこはパワーピッチングで行こうと。ここ最近の杉山の状態も良かったので、信頼して送り出したんですけど、場面が場面だったので、うまく乗り越えることはできなかった。これを糧に、また乗り越えてほしいと期待しています」

――満塁という中で、4球続けてフォークを投じる場面もあった。
「もともとフォークでカウントを取る投手ですし、僕は『あれ?』という配球には見えなかったです。今までもフォークでカウントを取っていましたし。そこに関して、どうこう言うつもりは全くないです」

――オスナ投手が登録抹消になって以降、7回以降の必勝パターンを作ることにチャレンジしていると、小久保監督も言っていた。倉野コーチにとっても同じ考え。
「もちろんです。前も話しましたけど、1人クローザーがいなくなることは大きなこと。でも、それをカバーできる選手が揃っていると思っているので、なんとかいい形を作っていきたいと思っています」

――オスナ投手は、もう少し時間がかかる。
「まだブルペンに入れていないので、1日でも早くとは思っていますけど」

――前半戦での復帰は厳しそう?
「前半は、ちょっと難しいかなと。この時点では」

――ブルペンに入る日も決まっていない?
「今のところ決まっていないです」

――杉山投手は直球も引っ掛かっているように見えた。精神的にもタフな場面だった。
「それは杉山だけじゃなくて誰が行っても難しい。それは杉山だから、と言うのはないです。誰が行っても、ああいう可能性はありましたので」

(竹村岳 / Gaku Takemura)