“別れ”を察した着信に「泣きました」 電撃トレード、6年目の付き合い「本当に親友です」

西武へのトレードが発表された野村大樹(左)とソフトバンク・渡邉陸【写真:渡邉陸提供】
西武へのトレードが発表された野村大樹(左)とソフトバンク・渡邉陸【写真:渡邉陸提供】

「トレードなったわ」…前日に交わした野村大樹と渡邉陸のやり取り

 ソフトバンク・野村大樹内野手と西武の育成・齊藤大将投手のトレードが成立したことが5日、両球団から発表された。野村大は早実高から2018年ドラフト3位で入団した6年目。若鷹の移籍がチームに影響を与えた中で「泣きました。あいつも泣いたと言っていました」と明かしたのは、同期入団の渡邉陸捕手だった。

 トレード発表前日の4日、渡邉陸は自宅にいた。電話が鳴り、スマートフォンを見ると野村大からの着信だった。「今、時間ある?」。テレビを見ていたが、真剣な話であることをすぐに察して、寝室に移動した。「トレードになったわ」。「え、まじ!?」。渡邉陸は2018年育成1位で鹿児島・神村学園高から入団した。同期&同学年の野村大を「親友」と表現するだけに、驚きは隠せなかった。

 仲の良い2人だが、通話をすることは珍しく「用事がある時」のみだという。昨年の現役ドラフトで日本ハムに移籍した水谷瞬外野手も含めて、同学年の高卒組は関係が深かった。その中で「ジェシー(水谷の愛称)よりも交流は、大樹の方があったかもしれないです。本当に親友です。わからないことがあれば、すぐ大樹に聞いていました」と寂しそうな表情で語った。

 野村大と同期入団にあたる板東湧梧投手も「同期の中でもセンスが抜群で、キャラ的にも面白い子だった。寂しいですね」と別れを惜しんだ。2018年のドラフトでソフトバンクに在籍しているのは杉山一樹投手と、渡邉陸、板東の3人となった。「みんなで生き残っていけるように」と、野村大の移籍も力に変えようとしていた。

(竹村岳 / Gaku Takemura)