柳田悠岐の離脱「穴を埋めようと考えなくていい」 ナインに訓示…小久保監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

支配下選手登録→即先発の佐藤直が攻守で躍動…“柳田ショック”を感じさせず快勝

 ソフトバンクは1日、広島戦(みずほPayPayドーム)を2-0で勝利した。3回に今宮健太内野手と近藤健介外野手に適時打が生まれて2得点。先発の大津亮介投手が7回無四球無失点の好投で今季4勝目を挙げた。試合前には5月31日の同戦で右ハムストリングを負傷した柳田悠岐外野手が出場選手登録を抹消され、“代役”として佐藤直樹外野手が支配下選手登録された。「1番・中堅」で先発した佐藤直は今季初安打に好守も披露するなど躍動した。試合後に取材対応した小久保裕紀監督のコメント全文は以下の通り。

――接戦を制した。
「2点を投手陣が守り切って、大津が100球を超えたところだったんですけど、本当は代えるんですけど、彼のためにもう1イニングというところで、しっかり抑えて帰ってきましたね」

――大津投手は7回無失点。内容は。
「今日の広島打線を見ていると、2ストライク後は1球でも粘って、100球くらいになると球威も落ちるだろうと話している対応だと思っていたんですけど、先発投手に関しては120球くらいまで持って行きたいと思っていますので。今日はそのための7回でした。いきなり120球は無理ですけど、今日は110球を行かそうと」

――安定した投球が続いている。
「今はローテーションの軸で、最初は中6日はキツいということで空けていましたけど、中6日できていますし。プロの1週間にちょっと慣れてきたかなと思います」

――ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手も、いい場面を任されるようになってきた。
「あれが持ち味なので。四球を出して死球を当てても、走者が三塁に行っても腕を目一杯振って、空振り率はすごく高い投手なので。ランナーが三塁でも、空振り率が高いから安心して見ています」

――支配下選手登録された佐藤直を1番で起用した。
「そこまで期待していなかったんですけどね、寝ていなかったと思うので。ほぼ、始発で本当に急遽だった。朝にフロントの方にはお礼を言いました。本当に迅速な対応だったので。柳田離脱の中での迅速な支配下登録で、非常に感謝しています」

――ヒットに盗塁、得点や攻守など大活躍だった。
「2軍の試合はずっと見ていたので。タイミングが今日でしたけど『近いうちに』という話はずっと上がっていた選手だったので。2軍でやってきた打撃スタイルが、去年までと全然違う。それが今年は、新たな佐藤直樹として再スタートという意味では、あのライト前は非常によかったと思います」

――柳田が登録抹消となった中、明日以降に向けて。
「彼が抜けたからというところで、彼がいた時の勝率とその後の勝率はみなさんがご丁寧に出してくれるでしょうから。その辺は、変わらないような試合運びをしたいと思います」

――佐藤直の打撃面の成長は。
「力はあったので。バッティングは変わりました。ファームの今年のスタイルはちゃんとセンターから逆方向に打つような打撃をしていて、集中力もずっと高い打席を続けているのは、ほぼ全打席見ていたので。だからGOサインだった。緊張していましたけど、いい滑り出しというか、いい活躍だったと思います。(3回無死)ショートのもね、エラーにはなりましたけど間一髪だったので。ヒットでもおかしくないくらいのタイミングでしたから」

――もともと支配下昇格を検討し、柳田の離脱を見て、すぐに決めた。
「(昨日の)試合中に決めました。試合中に(三笠)GMと話をして、終わって正式に決めたんですけど。ただ、その話自体はちょっと前からしていたので、意外とスムーズでした」

――春季キャンプ中は、佐藤直の打撃に「変わっていない」と評価していたが。
「ウエスタン・リーグのほぼレギュラーで出て、打率.340くらい残していた。本当に、集中力の高い打撃。抜かれてクルクルと回るような三振がほぼなくなっていたし、空振りもなくなっていた。本当に、反対方向に丁寧に打つバッティングでした。こないだも話した時に、その時は(相手先発が)山下舜平大だったんですけど『自分がやってきたことが1軍のトップの投手に試せるチャンスです』と意気込んでいたら、その日は補欠だったので残念がっていました」

「それくらい型ができあがっていたんです。何回も話しますけど、型ができている人は、その形でトライすればいい。ダメだったら、エラーが出れば修正すればいい。型がない選手は打席に立つと苦しいですね」

――監督のハッパがその型を作らせた。
「僕は右打ちしろとか全然言ってないです。今のスタイルは彼と、あとはコーチ陣とやったんじゃないですかね」

――首脳陣はスタメン起用を決めていた。
「練習に間に合わないと最初は聞いていたんですけど、連絡したら間に合うと言うので、じゃあスタメンだと。昨日の夜には電話をさせました」

――柳田が抜けたところは、栗原を入れた。
「4番と5番はあの順番がいいという判断ですかね。そういう判断です」

――試合前に選手たちに話をした、と。
「柳田が抜けたので。あとは6月に入ったという節目もあるし、開幕から2か月。そこで開幕の時に話した“プロフェッショナル”の話をしました。柳田の穴を埋めようというのは考えなくていいと言う話で、個々がプロフェッショナル、代えの効かない選手になりなさいと。あともう1個話しましたけど、それは今日の試合には関係ないので、誰かに聞いてください」

(竹村岳 / Gaku Takemura)