カメラ目線で“決定的瞬間”…西田広報を「イーグルスレジェンド」 オスナが呼ぶ理由

ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真提供:西田哲朗広報】
ソフトバンクのロベルト・オスナ【写真提供:西田哲朗広報】

2013年、楽天は日本一…西田広報から見たレジェンドは「嶋さんじゃないですか?」

 ソフトバンクの西田哲朗広報による「ニシテツカメラ」。シーズン中は写真編として、選手の表情をお届けいたします。今回提供してもらったのは、ロベルト・オスナ投手がカメラ目線で映る写真。5月14日、15日の仙台遠征を機にオスナ投手から「イーグルスレジェンド」と呼ばれるようになった理由とは? 「その度に僕がツッコまなあかんっていう(笑)」と、2人だけの可愛いやり取りに迫りました。

――これはどんな写真ですか?
「オスナの写真はですね。モイネロが、僕も知らなかったんですけど仙台空港に僕がイーグルス時代の写真が載っている、と。『そんなはずがない』『誰かの間違いやろ』と思っていたんですけど、それをオスナとかに話していたんですよ。オスナは僕が現役の時を知らないので『イーグルスレジェンド』って呼ぶようになりました(笑)」

「オスナって、裏方さんにもそうなんですけど、人を結構見ているんです。この人はどういう人かを見ていて、オスナはチームを良くしようとか、勝てるチームを作っていくっていう意識が(ホークスに)入ってきた時からすごかったんです。だから裏方1人にしても、厳しい目で見ているというか、それは僕も感じていました」

「その中で、僕という存在もこの仕事(広報)をしている僕しか知らないわけで、僕も選手に対しても、野球や球団へのリスペクトもありますし。それぞれの選手にいい仕事をして、いい環境を作りたい、広報としてもプロフェッショナルの仕事をしたいという思いがあります。オスナも認めてくれているかはわからないですけど、広報としても見てくれているのかなと」

「僕が現役の時にどこまでやっていたのかも知らないと思うし、ホークスでプレーしていたことも知らないと思います。でも彼も2年目になって、僕が元選手でプレーしていたことも踏まえて話してくれるようになってきました。昔話もすることが増えたりして『プロの中身を知っている』っていう見方を、僕にしてくれるんです」

「イーグルスの写真は、空港の結構いい場所にもあったんです。それも楽天が初めて日本一になった時で、僕もその時はベンチ入りしていて22歳とかでした。控え選手として守備から出たり、最後はベンチの中から日本一を一緒に、何をしたわけでもないですけど、メンバーとしてなれました。写真を見てもすごい面々ですよね。松井稼頭央さんだったり、岡島豪郎さんだったり、優勝旗を持ってグラウンドを一周しました。その写真がバッチリ映っていたので撮りました」

「その時からモイネロが(仙台空港に写真が)『載っているよ』って言ってくれていて、本当に1か月くらい前です。開幕してすぐの仙台の時かな。そこから僕のことを毎日“イーグルスレジェンド”っていうようになって、その度に僕がツッコまなあかんっていう(笑)。『ハイ、イーグルスレジェンド』『ノー、コメディアン』みたいな感じのやり取りが増えたんです(笑)」

「それで『あったよ』ってオスナに見せたら『ワォ! イーグルスレジェンド』みたいな。楽天の時から応援してくれているファンの人もいるので、そういう意味でも写真をインスタグラムに載せたらオスナからダイレクトメッセージが来て『スーパーレジェンド』って言っていました(笑)。その翌日ですね、オスナがベンチからグラウンドに出てきた時に、普段はカメラとか見ないんですけど、こっち(撮影中の西田広報)を見て、カメラ目線で『イーグルスレジェンド』っていう瞬間をおさめた写真です」

――実際、レジェンドと呼ばれるのはいかがですか?
「いや、レジェンドじゃないので(笑)」

――2013年の楽天では、田中将大投手が24勝。成績で引っ張ったのはもちろんですが、チームを中から見ていた西田広報の目には、誰がチームを引っ張っていたんですか?
「そういう意味では、嶋(基宏)さんじゃないですか? だから今でも(ヤクルトで)コーチをされていると思いますし。小久保さんもジャパンで一緒にされていたので、嶋さんとの関係も深いです。実力もですけど、精神的に支えられていたと思います。気を抜いたことをしたら叱られますし、かといって食事の時は一緒に騒いで楽しんだりもします。1年目から自分もお世話になりました」

「小久保さんが(1軍監督に)就任される時、僕も嶋さんに連絡しました。(2021年に)ヘッドコーチとしての小久保さんとは接点があったんですけど、監督になった時にもっと知ろうと思ったので、嶋さんに相談というか。小久保さんにはどういう接し方をすればいいのかっていうのは聞きました。僕も大事なポジションをいただいているので、人を知らないといけない。嶋さんに連絡をしたら、すぐに出てくれました。僕はあんまり自分から連絡しなくて怒られるタイプなんですけど(笑)」

――オスナ投手、モイネロ投手との距離感も縮まったのでは?
「彼らを知るっていうところでは、変な入り方をしたくないですよね。変な近寄り方というか、やっぱり1人の選手としてリスペクトを持って会話したいです」

(竹村岳 / Gaku Takemura)