リチャードが山川穂高に放った「怪我の功名」 聞いていた小久保監督「なぜか彼が上から目線」

ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀監督【写真:荒川祐史】

23安打21得点での大勝…「現役時代を振り返ってもあまりない」

 ソフトバンクは21日、本拠地・みずほPayPayドームでの楽天戦に21-0で大勝した。先発の有原航平投手が無難な立ち上がりを見せると、打線が2回に奮起。長短を絡め、7者連続安打を含む打者一巡の猛攻で一挙7得点。3回には栗原陵矢内野手が1号ソロを放つと、5回の第4打席でも右越えの2ランが飛び出した。栗原は4安打6打点の活躍で勝利に貢献した。試合後の小久保裕紀監督と倉野信次投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)のコメント全文は以下の通り。

○小久保裕紀監督
――23安打21得点と打ちまくった。
「1勝は1勝なんでね、みんな本当によく打ちましたけど。あとはピッチャーね。(試合展開に)付き合うことなく、自分の仕事をしたっていうのが評価できるとこですね」

――ここまで打線がつながった試合はここ最近なかった。
「現役時代を振り返ってもあまりないですね」

――2003年の29得点が最多。それに近い打撃陣の活躍だった。
「そうですね。だから、ちょっと登板間隔が空いているピッチャーを含め、仲田、緒方あたりは2打席回ってくることがないんでね。仲田は5月に入って今日の試合まで2打席しかなかったので、今日は2打席もありましたんで。控えの選手たちにとっても、いい時間だったんじゃないですかね」

――栗原選手が本塁打2本を含む4安打6打点の活躍だった。
「状態はもうずっと上がってきてたんでね、5月に入って。本人の中でもあとは長打、ホームランっていうところは気になってたんでしょうけど、狙いすぎて、今の状態を落としてしまいたくないっていう葛藤があったと思うんで。状態が上がってる中でホームランが出たっていうことで、打球もそうですし、栗原らしい数字になってきたかなというところですね」

――投手陣の評価。
「開幕からずっとですよね。ゲームを序盤で壊してしまうような試合はほとんどないので。それが今の位置にいる要因の1つでもありますし。今日も各々がね、有原もすごく投げにくかったと思うんですけど『6回まで自分で行きます』って言いながらね、しっかり投げきってくれましたね」

――王会長の84歳の誕生日(20日)に花を添える結果だった。
「守りの方は多分興味ないと思うんですけど、打つ方は今日ぐらい長打が出ると喜んでくれたと思います」

――大量リードで勝った試合の翌日に重要になる部分は?
「点は入らないでしょうね。和田に頑張ってもらいます」

――今宮選手にらしさが戻ってきた。
「長打っていう感じじゃないですけど、反対方向のライト前ヒット、また反対方向のスリーベース。ずっとファールで苦しんでたんですよね。ゲーム前の練習では良くなっていると報告を受けていたし、僕もそういう風に見てたので、きっかけになる試合になればいいなと思いながら見てました。ホームランを狙えば打てるバッターなんですけど、やっぱり求められる役割としては、つなぐ選手。だってあのクリーンナップがいるんで、そこ(2番)に長打はいらないからですね。キャンプからずっとやってきてるんですけど、今日をきっかけに上がっていってもらいたいなと思いますね」

――2回の攻撃はセンター方向の打球が続いた。
「今日バッティングコーチからは、基本的には強引にならずにセンター(に打つ)みたいな話があったらしいんですけど、それをちゃんと試合で表現するのはさすがだなと思いながら見てましたけどね」

――ポンセ投手は前回の対戦も踏まえて、直球を捉えることができた。
「結構打たれても真っすぐばっかりだったので、選手からするとそろそろ変化球かなっていうところもあるんでしょうけど、狙っている真っすぐをしっかりセンター方向に打ち返してたんで。あんなにツーベースが続くのは珍しいかなと思いながら見てましたけどね」

――山川選手も問題なく。
「(死球が)当たって、昨日のフリーバッティングは非常に感じが良くなったみたいで。リチャードが『怪我の功名』って、なぜか上から目線で話していたのが出たんじゃないですかね?」

〇倉野信次投手コーチ
――点差が開いた展開では考えることが多い?
「いや、ないですね。ただ、普段登板機会に恵まれないというか、投げさせたかったピッチャーも登板機会があったんでよかったと思います」

――有原投手の調子はどう映った?
「マックスでよかったかと言われれば、そうではなかったと思うんですけど、前回の反省を踏まえて投げてたと思うんで、また次回に繋がるピッチングだったかなと思います」

――次回に繋がる部分とは。
「前回よくなかった球のアプローチをずっとしてきてますので、そういう意味では僕は少し兆しが見えたような気がしますけど、あのクラスのピッチャーは調子が悪くても最小失点で抑えるということをやってくれてますので、信頼は高まっていますね」

――左バッターへのカットボールが有効だった。
「しっかり自分の持ち味が出せていたと思うし、100パーセントかと言われたら1番自分がそうじゃないと思ってるとは思うんですけど、それでも先発ピッチャーとして高いレベルでピッチングをしてくれているので、結果もついてきたんで、それが1番の薬じゃないかと思います」

――攻撃の時間が長かったので、投げにくさもあったのでは。
「やりやすいとは言えないですね。ただそこはしっかり工夫して、自分のペースを崩さずに投げていくことがプロのピッチャーだと思うので。点をとってくれたことが良いことには変わりないわけですから、特に投げにくいということはないですかね」

――久しぶりに登板した投手をどう見た。
「収穫というか、状態がしっかり確認できたことと、自分の球が投げられていたことを確認できたのは良かった。1週間ぐらいどうしても空いてしまっていたので、岩井はもうちょっと空いていますけど。杉山と又吉は本当に大事な戦力なので、定期的にというか、なるべく使ってあげたいんですけど。中継ぎは間が空いてしまうと難しい部分もあるので、そこは僕らも難しいとこではありますね。本当は投げて状態を良くしたり、キープしたりということをしたいとは思っていますけど、現状ではこういう登板機会になってますので。これからどんどん上がっていくと思ってます」

――今シーズン2度目の登板となる和田投手にはどんな期待をする?
「自分のピッチングを1イニングずつしてもらうというところで、特に長いイニングを行ってくれとは思わないですけれど、もちろん1イニングでも長くというところも期待はしている。まだ1試合しか投げてないので、確実に前回よりはいいピッチングをしてくれんじゃないかなという期待はしていますね」

――和田投手の出力は上がってきている?
「練習を見る限り上がってきていますね、確実に。あとは試合でどれだけのパフォーマンスを見せてくれるかというところですけど。今シーズン中に完投を1回ぐらいしてもらいたいなとは思っています。僕はそれぐらい期待しています」

(飯田航平 / Kohei Iida)