打率.280の牧原大成に迷わず「代打・中村晃」 厚い信頼「誰にでも代える」…小久保監督のコメント全文

ソフトバンク・中村晃【写真:竹村岳】
ソフトバンク・中村晃【写真:竹村岳】

モイネロが土曜日でローテーション「今の状態なら行けるということで回している」

 ソフトバンクは27日の西武戦(みずほPayPayドーム福岡)で劇的なサヨナラ勝利を挙げた。1-1で迎えた延長10回1死一、三塁で川瀬晃内野手の打球が右翼手の頭上を破り、試合を決めた。1点を追う7回2死二塁では、代打の中村晃外野手が右前に同点打を放った。先発したリバン・モイネロ投手は7回1失点と好投。4番手の津森宥紀投手がリーグ単独トップとなる4勝目を挙げた。試合後、取材に応じた小久保裕紀監督のコメント全文は以下の通り。

――接戦をものにした。
「(西武先発が)今井投手なのでそんなに点は取れない中で、職人の中村晃がしっかりと仕事をしてくれた。投手も踏ん張って、最後の最後に晃(ひかる)が決めてくれました」

――モイネロ投手の好投も光った。
「もちろんです。先発に転向して今日で5登板目ですかね。1週間休ませようとも話していたんですけど、今の状態ならいけるということで土曜日で回しているんですけど、その辺が彼の中でも自信につながっていると思いますね」

――中村晃選手の勝負強さが光った同点打。
「あそこは、ウォーカーは打たそうと決めていた。一塁だったら甲斐拓也に送りバントで勝負をかけるつもりでした」

――川瀬選手が最後によく決めた。
「一塁だったんですけど(山川に代えて川瀬を代走で起用した8回2死一塁の場面)、延長に回れば山川に回ってくるのもわかっていたんですけど、近藤がもし右中間や左中間を抜いた時に(山川を)代えていない後悔の方が嫌だった。あそこはもう11回の攻撃、12回の攻撃を考えずに川瀬で行きました。今日であれば当然、柳田の後ろが川瀬だったら敬遠……までは想定内だったので、よく打ってくれました」

――津森投手がリーグトップの4勝目。チームの貯金も順調に増えてきた。
「まだ始まったばかり。4月なのでそこは気にしていないですけど。松本(裕樹投手)も、オスナ(ロベルト・オスナ投手)も津森も久しぶりの登板だったので、少し固さはあったんでしょうけど、それでもゼロで抑えるところはさすがですね」

――連勝が「4」に伸びた。
「西武は週末だけで交流戦まで12試合ある。あとまだ8試合もあるので。いい投手陣ばかりなので、気を引き締めてやりたいです」

サヨナラ打を放ったソフトバンク・川瀬晃【写真:竹村岳】
サヨナラ打を放ったソフトバンク・川瀬晃【写真:竹村岳】

――モイネロ投手は好投を続けているが、このままローテーションを守っていく。
「(間隔を空けることは)考えています。まだ言いませんが。(先発に転向した)初めてのシーズンで、大津しかり、年間を通していきなりぶち込むのはリスクが高いので。その辺は考えています」

――打率.280の成績を残している牧原大選手を代えて、中村晃選手を送った理由は。
「晃は誰にでも代えられる代打なので。誰にでも代えます」

――それくらい信頼のある選手。
「普通に出しておけば140本くらいヒットを打てる力のある選手を、わざわざベンチに置いているわけですから」

――柳田選手は攻守に安定感が光る。
「守備でしょうね。本人も『去年よりも全然足が動いている』って朝言っていましたけど、それがプレーに表れている感じがします」

――中村晃選手の代打というのは、毎試合「この辺で」とシミュレーションしているのか。
「試合前には考えていないです。試合が進む中で考えます」

――川瀬選手は途中出場が多い中で、送り出す側にとってはどんな存在の選手ですか。
「今なくてはならない選手です、1軍では」

――バットでも守備でも、頼もしさがある。
「代走やと、直前というか『行け』って言ったら行ける選手。そういう選手が数多くいてくれることがチームの勝利につながるので。育成から支配下になった3人(仲田慶介内野手、川村友斗外野手、緒方理貢外野手)しかり、目があった瞬間にプレーできる準備はしてくれているので。ものすごく心強いです。全部を伝えて、全部準備させてやるのがベストですけど、野球は動くスポーツなので。限度がありますから。できる限り負担のないようにとは思いますけど、それでも急遽の時に行ける選手はありがたいですね」

――それだけ首脳陣の考えを理解してくれている証。川瀬選手もその1人。
「もちろんです。彼は、目が合って、いつでも行けるのはわかっているので、その安心感はあります」

――周東選手は途中出場。数日の離脱もあったが、問題はなさそう。
「今日は、代打は考えていなかったんですけど、そこはたたみかけようと思っていきました。あんまり対応を見てもブランクを感じさせず。ただ動いていない時期が長かったので、100%の出力を出して、筋肉系(を痛めるの)が嫌だなと思ったので、今日はもうスチール禁止にしていた。そのシチュエーションにならなかったですけどね」

(竹村岳 / Gaku Takemura)