先発ローテ「8人」の新プラン 小久保監督&倉野コーチのコメント全文…競争での最優先は?

ソフトバンク・小久保裕紀監督(左)と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター【写真:竹村岳】
ソフトバンク・小久保裕紀監督(左)と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター【写真:竹村岳】

15日に50球で降板した有原航平に「次は全く問題なさそうな感じでした」

 ソフトバンクは16日、西武とのオープン戦(PayPayドーム)に2-1で勝利した。先発した大関友久投手が6回1失点の好投で開幕ローテーション入りに前進した。打線では2番に入ったアダム・ウォーカー外野手が4回にソロ本塁打。8回には周東佑京内野手が足を生かして決勝のホームを踏んだ。試合後、小久保裕紀監督と倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)が取材に応じた。倉野コーチは先発ローテーションを「8人」で回すプランを明かした。2人の一問一答は以下の通り。

○小久保裕紀監督
――大関投手の内容は。
「いい状態をキープしている。心配はしていません」

――春季キャンプ中は出力に苦労していた。
「キャンプの中盤以降は全然上がってきていたので、その辺は倉野コーチと『上がってきたね』という話をしていた。そのままオープン戦にも入ってきて、本来の大関らしさが出ていますね」

――開幕ローテーション入りについては。
「もう、ほぼほぼ前進です」

――甲斐拓也捕手は2度の盗塁阻止など守備力で目立った。
「彼の一番の武器ですから。ブロッキングに関しては日本で一番でしょうね」

――8回は周東の足が生きて、無安打で得点した。
「西武は先発投手が12球団でもトップクラスですし、ヤンと、昨日投げた外国人(アブレイユ)と、甲斐野たちが入ると、投手は相当いいので、そうは打てないと思うんです。周東が出て、しっかり変化球のカウントでスチールを決めた。今日は2番にウォーカーを入れていましたけどね、最後はギャンブルスタート(8回1死三塁で川村友斗外野手の一ゴロの間に周東が生還)で1点っていう。ボンボンと打てない中でああいうのは大事ですね」

――2番に入ったウォーカーがオープン戦3号。
「1打席目は同じ球をファウルにしていた。カウント球の真っ直ぐをね、次は仕留めていた。若干、向こうに試されている感はあるかなと思うんですけど、それでも1本打っておくとそのボールっていうのは向こうからすると嫌になるでしょうしね」

――シーズンに入った後、2番のイメージというのは。
「ありますけど、2番のウォーカーは多分ないと思います。今日はそうしましたけど」

――シーズンの打順は、固定するイメージ?
「ある程度は固定したいですね。できれば」

――昨日に続いて、正木智也外野手が無安打。
「練習の時は良くて、昨日の試合後は良かったみたいなんですけど、自分との勝負を脱し切れていないというか。投手と勝負していない感じはありますね」

――柳田悠岐外野手も好調を維持している。
「昨日は休ませたので」

――周東は中堅の守備でもいいプレーがあった。
「守備範囲は足の速さも打球感もある。なんといっても、1番を打つなら打率よりも出塁率なので、今日みたいな四球2個みたいな形をずっと続けてもらえたら」

ソフトバンク・倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター【写真:竹村岳】
ソフトバンク・倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター【写真:竹村岳】

○倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)
――大関の内容は。
「こちらがイメージしていた、いいイメージをしていた通りの投球ができたと思います」

――キャンプから状態も上げてきた。
「ここまでの投球を見ていて、状態はずっといい状態はキープできていた。その中で課題があって、それも1つ1つクリアになっていると思います」

――中6日でずれていく感じになる。
「まあ……」

――監督は「ほぼほぼ前進」と言っていましたが。
「まあ……色々考えないといけないことがたくさんあるので、基本的にはそうなる、かもしれないです」

――2軍戦でカーター・スチュワート・ジュニア投手が登板していたが、彼も先発ローテーション候補の1人。
「そうですね」

――残りは木曜日だけ。
「うん、まあ……。そんな感じになりますかね」

――開幕して、4月には1週間で5試合という週もある。そこまでも見据えて、今考えているところ。
「もちろんです。交流戦までのことも考えていますので、色々とシミュレーションしながら、どういう形が勝つ確率が高くなることは考えています。日程を見ながら、対戦相手を見ながら」

――先発ローテーションでも、6番目に入れなかった選手にもすぐにチャンスが来そう。
「そうですね。僕のイメージの中では6人をガッチリと固めるというよりは、8人で回していくようなことも頭の中にはあります。どうなっていくかは、始まってみないとわからないです。状態も見ながらになるので。固定とするのか、8人で回していくのかは考えています」

――昨シーズンだと板東湧梧投手が6番目に入れず、中継ぎに回った。今の先発候補から中継ぎに回る投手がいる可能性は?
「それはないです。今争っている選手は、1軍で先発しない時は2軍で先発してもらいます。現状では考えていないです」

――1軍で漏れた投手は2軍のローテーションに入れて、必要に応じてあげていく。
「その運用に関しては曜日の問題もあるし、2軍の日程もあるので、それは本当に色々と考えながら。1軍で投げる時は一番いい状態で投げられるような準備をさせていきたいと思っています。考えることがめちゃくちゃ多いんです」

――具体的には言えないかもしれませんが、たとえば有原航平投手は柱に据えて他の投手で回すのか、全員で回していくのか、どんなイメージですか?
「全員を、8人でずらしながらというのは考えていないです」

――固定する曜日は固定する。
「そうなると思います」

――土曜日は大関か、スチュワートになるかもしれないが、開幕カードのオリックス戦で言えば、昨シーズンはスチュワートが相性が良かった。相性も考慮してローテーションを組むのか。
「相性も考慮すべき点ではあります。ただ、相性だけで選ぶことはないです。状態が最優先されるべき。相性は年によって変わることもあるし、色々と考えながらです。全てのデータをスコアラーの方に準備してもらっていますので、そのデータを全て見た中で総合的に判断していくとしか言えないですね」

――石川柊太投手も含めると競争の中に9人いると思いますが、1人は開幕から漏れることになる。
「それが7人で回すのか、8人で回すのか、9人で回すのかというところは実際あるんですけど。まあ9人で回すことは考えられないですね」

――開幕からファームで頑張ってもらう選手も。
「どっちにしても6人に入れなかった選手は2軍で投げてもらうことになります。7人目であろうが8人目であろうが、9人目であろうが。ただ、変則日程ではあるのでそれをうまく使いながらやっていきたいです。もちろん、6人とか5人でガチっとハメる可能性もあるし、いろんな可能性を今考えているので」

「メディア的には“振り落とし”みたいな記事を書きたいかもしれませんが、そうではないです(笑)」

――有原に関しての続報は。
「次は全く問題なさそうな感じでした」

――大関は6回に出力を上げたと話していたが、ある程度、長いイニングを投げてもらいたい。
「そういう期待は大きいです。もちろんみんな完投を目指してもらうんですけど、その中でも大関友久に関してはかなりタフだと評価していますので。どんな状況、球場、天候、条件だろうがある程度は長いイニングを投げてくれるという評価は僕の中ではあります」

(竹村岳 / Gaku Takemura)