ギリギリだった開催の可否…甲斐野央は「半袖で来た」 爆笑に包まれた1996年会の全貌

1996年生まれの合計11人が集まった同級生会【写真提供:柿木映二】
1996年生まれの合計11人が集まった同級生会【写真提供:柿木映二】

昨年11月以来の1996年会…泉圭輔に代わる“新・幹事”が爆誕「イージーでした」

 最後の夜にふさわしい、居心地のいいメンバーが揃った。ユニホームを脱いだ選手も、ホークスを去ることになった選手も含めて、11人が揃った同級生会だ。1996年生まれの世代で、ホークスに関わりのある11人が同級生会を開催。どんな経緯で開催されたのか、幹事は誰が務めたのか。鷹フルが単独取材で迫ってみた。

 メンバーは合計11人。選手は5人で栗原陵矢外野手、松本裕樹投手、藤井皓哉投手、笠谷俊介投手、1月に人的補償で西武に移籍した甲斐野央投手。スタッフからも参加者は多く安藤ケビン通訳、松葉真平アナリスト(1軍)、小川真希ブルペン捕手、チーム運営部の柿木映二さん、重田倫明ファーム担当広報、堀内汰門さんの6人が集まった。このメンバーでの食事会は初めてだったという。

 昨年2月も宮崎で96年会は開催されたが、お店の予約やタクシーの手配など、幹事を務めていたのは泉圭輔投手だった。昨年11月にトレードで巨人に移籍したことで、96年会は“マネージャー”不在という事態に。昨年11月、鷹フル企画で開催されて以来の96年会だ。栗原もキャンプ中盤に「幹事がいないから……」と、泉の不在を嘆いていたが、どんな経緯で開催されたのか。会の中では、どんな会話が展開されていたのか。

ユニホームを脱いだ選手やチームを離れる選手も含めて開催された【写真提供:柿木映二】
ユニホームを脱いだ選手やチームを離れる選手も含めて開催された【写真提供:柿木映二】

 新しく幹事を務めたのは、柿木さんだったそうだ。2014年育成ドラフト5位でホークスに入団した元投手で、栗原や松本裕らとの同期。今は球団職員として働く柿木さんが、今回のためにLINEグループを作成した。「普通に全員のグループがあるんですけどね」と言うが、左座骨疲労骨折で宮崎を離れてしまった野村勇への配慮という意味合いも含め「同級生会」という新しいグループを作成することになった。

 泉も、15日に巨人が沖縄入りするまでは宮崎にいた。しかし、春季キャンプは食事会やイベントが次々と入るもの。メンバーそれぞれのスケジュールもなかなか合わず、開催ができなかった。西武の甲斐野は25日に日南市でのキャンプを打ち上げ。実際に96年会が開催された27日、甲斐野が別件の食事会が入る可能性があったそうで、同級生会を開催できるのかどうかは、まさかの甲斐野の“返事待ち”という状態に。最終的に参加できることになり、GOサインという経緯だった。

 栗原にとって甲斐野との再会は、西武への移籍が決まって以降は初めて。「楽しかったですよ、最高でした。いい話も聞けましたし、いっぱい話ができました」と笑顔で振り返る。新天地での話は新鮮で、自然に耳を傾けたくなっていた。キャンプインの時から、ものすごい早さで西武ナインに馴染んでいく甲斐野の姿はチェックしていたそうで「もちろん見ていましたよ。相変わらずすごいですね」と、移籍以降も気にかけていた友とようやく再会ができた。

会の中では様々な話が交わされた【写真提供:柿木映二】
会の中では様々な話が交わされた【写真提供:柿木映二】

 参加した人が口を揃えて楽しかったという会。藤井の目線では「(一番楽しんでいたのは)甲斐野央じゃないですか? あいつ、半袖で来ていましたからね(笑)」と笑って話す。待ち合わせにも甲斐野が少し早くいたそうで「『早よ来いや!』ってばりデカい声で言うんですよ! それも半袖でびっくりしました」と、開催が待ちきれなかった甲斐野の姿も想像できてしまう。

 泉にも1度、甲斐野から電話をかけたが出なかったという。千葉スカイセイラーズに移籍した岡本直也投手はすぐに電話に出たそうだが、藤井いわく「すぐに切られていました。(かけたのは)僕じゃないんですけど、こっちからかけてこっちから切るっていう(笑)」。そんなイタズラ心も、96年会らしかった。松本裕も「ケビンも小川もいいキャラしているので、楽しかったです。面白かったですよ」と、新メンバーも巻き込んで笑顔があふれる会となった。

あまり交流がなかったメンバー同士の交流も【写真提供:柿木映二】
あまり交流がなかったメンバー同士の交流も【写真提供:柿木映二】

 安藤通訳や小川ブルペン捕手ら、初参加のメンバーに松本裕は「去年はそんなに絡みがなかったけど、呼ぼうとはしていたのかな? どうする? みたいな話にはなっていましたよ」と舞台裏を明かす。安藤通訳は英語圏の担当なだけに「それで今年、ちょうどウォーカーも1軍にいたのもあって、呼びやすかったですね」と続けた。栗原も「僕が誘われたのは柿木で、あいつが『やろう』って言って始まりました。同級生で気を遣うこともないですし楽しかったです」と、新しい一体感が生まれるような会となった。

 お会計は、選手の5人が割って払ったそうだ。泉に代わって幹事を完璧にこなした柿木さんは「イージーでしたよ」と得意げに振り返る。選手5人は全員支配下で、スタッフは1軍管轄が多いだけに、藤井も「そこまでしっかり1軍で投げられるように僕も頑張ります」と、モチベーションに変わるような時間となった。それぞれの場所で活躍を誓う同級生たち。さらなる“高み”で、もっと最高の笑顔で再会したい。

(竹村岳 / Gaku Takemura)