選手の自己犠牲を「評価できる首脳陣でありたい」 小久保監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀新監督(左)と川瀬晃【写真:上杉あずさ、荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀新監督(左)と川瀬晃【写真:上杉あずさ、荒川祐史】

川瀬を相手に55分間の打撃投手「貴重な存在だと思っています」

 ソフトバンクは16日、野手が宮崎、投手が筑後で行う秋季キャンプの第4クール3日目を迎えた。この日は400メートル走を実施。午後の自由練習では小久保裕紀監督が川瀬晃内野手の打撃投手を務め、約55分間、ボールを投げ続けた。練習終了後の小久保監督のコメント全文は以下の通り。

――川瀬選手のことをヘロヘロにしてやると言っていた。
「ならん、こんな涼しかったら。しかもペースも遅かったし、今日は」

――川瀬選手の打撃は。
「3年前は外の真っ直ぐを、練習で分かっている真っ直ぐでも半分くらいファウルだった。そういうところはだいぶ良くなっていますよ、もちろん」

――体が強くなったからですか。
「あとバットの出し方を覚えているんでしょうね。それは全然、明らかに、今日も何球かくらいしかファウルはなかったので。3年前はオレの真っ直ぐくらいでこれだけファウル打っていたら、くらいだったんですけど、そこはキッチリ成長してるなと思いましたね」

――去年の監督からのアドバイスがキッカケになった。
「去年の春、2軍に来ていた時にね。自分の中でいいスイングをしても外野フライが精一杯では、いいスイングでもダメ、と。いまは特にドライブラインやトラックマン含めて、角度が全部出ているんで、あの角度でいったところで気持ちよくいい感じで振ってもアウトはアウト。だったら、足元にゴロを打ったらOKっていう評価をしながらバッティングしていた。そういうスタイルで彼は行くべきだと思います。どれだけ気持ちよく打っても、普通の大きめのライトフライだったら何の意味もないので。ドライブライン的な考えでは、彼の力くらいであれば角度はこれくらいってハッキリ出してくれるんで、高すぎるのはよくないでしょうね」

――川瀬選手の起用のイメージは。
「守備はもうかなり上達しているなという印象で、打線の中ではあれだけ自己犠牲を表現できるプレーヤーってホークスの1軍ではあまりいないと思う。そういう意味では貴重な存在だと思っていますけどね」

――ショートで今宮選手と競うことになる。
「そうですね、サードでは考えていないですけどね。その辺はこのオフに、ヨーイドンで競わせるかは他のコーチ陣も入れて考えます」

――彼は2番を目指したい、と。
「晃には悪いけど、2番には置かないかもしれないな(笑い)。置くかもしれないけど、打順は全然まだ。編成が全部出てから、このメンバーでスタートしますよってなってから。あとは春までの状態もありますしね。今考えてもアレなんで」

「ただ、いまやっているプレースタイルは続けた方がいいと思うんですよね。というのは、それをしっかり評価できる首脳陣でありたいし、球団であるべきだと思うので。ホームランを打つ以外のヤツは給料上がらん、みたいなのよりは、線として機能するにはああいうタイプがいないと線は繋がっていかないと思うので、スタイルは変えないでいいって話はしました」

――今季終盤はいい働きをしていた。
「最後の負けられない試合の中で、自分のパフォーマンスを出せたのは自信に繋がったって彼は言っていた。明日で(キャンプは)終わりますけど、今宮と勝負するつもりでオフは過ごしてくるんだろうな、と思いますけどね」

――川瀬選手は今宮選手に挑む。
「ショートは候補の1人ですよ」

――400メートル走のあとに監督を名指しでご指名。
「慣れもあるでしょう。明日で終わりってのもあるでしょうし、400メートルは来年の春もします」

――今日は多くの選手が自由練習で打ちに来ていた。
「割と来ていましたね。今日は、キャンプがどうだったというフィードバックを全関係者でやったんです。評価するのは誰が評価するのって話なんですけど、いろんな意見は出しました。良い点、悪い点出ましたけどね。個別に焦点を当てて、個の伸び率、オフの継続率とか、みんな課題がハッキリ分かっていれば良いんでしょうけど。しっかりやるべきことが何か見つけられたのであれば良かったと思いますから、それで最後やりたいことをやっているんじゃないですか」

――400メートル走は気持ちですか?
「体力ですよ。来年の春もするんで。投手もするみたいなんで。2月1日じゃないです。明日、選手には伝えます。キャンプに来ていない選手にはアプリで練習メニュー出す時に伝えます」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)