鷹・小久保新監督「主力のワガママは許さない」 倉野コーチから世界一のイロハ吸収

ソフトバンク・小久保裕紀新監督【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・小久保裕紀新監督【写真:藤浦一都】

レンジャーズでコーチだった倉野コーチから情報収集「やっぱりそうだよね」

 ソフトバンクの小久保裕紀新監督が7日、来季に向けてのチーム全体の方針の一端を語った。前日6日に倉野信次1軍投手コーチ(チーフ)兼ヘッドコーディネーター(投手)と牧田和久3軍投手コーチと食事を共にし、倉野コーチからワールドシリーズを制したレンジャーズのチームマネジメント方法などを吸収。「主力のワガママは許さない、というところが1番らしい」と語った。

 倉野コーチは2021年シーズン後にホークスを退団。2022年はレンジャーズでコーチ研修に励み、今年は傘下のマイナーチームで投手育成コーチとなり、メジャーの指導法のイロハを学んできた。レンジャーズは2022年、大補強を行いながら、68勝94敗でア・リーグ西地区4位に沈み、クリス・ウッドワード監督をシーズン途中に解任。今年はパドレス、ジャイアンツで2019年まで指揮を執ったブルース・ボウチー監督を招いてテコ入れを図り、90勝72敗で地区2位に躍進。ワイルドカードからプレーオフを勝ち上がり、初の世界一に輝いた。

 小久保監督にレンジャーズ時代の経験を伝えた倉野コーチはこう補足した。「みんなを同じ方向に向かせた、という(ボウチー監督の)リーダーシップ。当たり前のことを当たり前にキッチリやる。全力疾走は絶対にするし、ピッチャーでもベースカバーは絶対にやる。そういう逸話はたくさんあって、それをマイナーリーグにもキッチリ伝える。年俸30億円もらっている選手が全力疾走するんですよ、と。チーム全体のマインドセットを統一させるというのには感銘を受けました」。

 凡事徹底は小久保新監督が常に目指してきたところでもある。倉野コーチの話を聞いた指揮官も「今年テキサスが勝った中で、マイナーリーグですけど、何をしたかっていう話を聞いた時に『やっぱりそうだよね』っていうのがありました」と納得だったよう。また球団全体の目指すべき道として「関わるスタッフを含めて同じところを目指すというのが1番大切。自分ファーストはいらない。選手のために何が1番かっていう議論を1軍から4軍まで通せばいい」とも語っていた。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)