ファンへ謝罪…昨季最終戦の悪夢払拭できず「申し訳ない」 泉圭輔のコメント全文

挨拶のためスーツ姿で球場を訪れたソフトバンク・泉圭輔【写真:米多祐樹】
挨拶のためスーツ姿で球場を訪れたソフトバンク・泉圭輔【写真:米多祐樹】

「巡ってきたチャンスを逃がさないためにも、今年失敗したことを生かして」

 ソフトバンクの泉圭輔投手が6日、巨人にトレード移籍することが決まった。2対1の交換トレードで、高橋礼投手と共に巨人へ。巨人からアダム・ウォーカー外野手が加入する。同日、泉は高橋礼とともに投手陣の秋季キャンプが行われているファーム施設「HAWKS ベースボールパーク筑後」を訪れて首脳陣やチームメートらに挨拶し、その後、報道陣に対応した。泉のコメント全文は以下の通り。

(テレビインタビュー)
――現在の率直な思いは。
「寂しさももちろんありますし、新天地でまた野球ができるってことで、自分に対して期待もあります」

――先ほど挨拶されていた。
「みんな本当に『頑張って』という言葉をたくさんもらえたので、期待してくれているなっていう言葉がたくさんいただけたなと思います」

――何か具体的な話は。
「結構バタバタだったので、あまりまだ深い話っていうのはできていないですけど、同期で入った甲斐野とか杉山、板東さんが『寂しい』って言ってくれたんで、それを言われて僕も寂しくなりました。これからまた新しいスタートを切っていくんで、お互い頑張れたらいいね、みたいな話はしました」

――ホークスで1番覚えていること。
「やっぱり1番覚えてるのは去年のリーグ最終戦で打たれて、優勝を逃したことっていうのは、良くも悪くも自分の中でもすごく鮮明に覚えています。それをどれだけ力に変えてやるかだと思うんで。今年は駄目でしたけど、チームは変わりますけど、チームが変わってもその悔しさっていうのを持ってやっていけたらと思います」

――ホークス球団に対しての思い。
「5年前にドラフト6位で獲得していただいて、そこから初勝利も1年目で経験できましたし、2年目とかは1年間、1軍でずっとやらせてもらいましたし、そこから、大事な試合を任せてもらったり、信頼して使ってもらったこともたくさんあったので、球団には感謝しかないです。本当に自分のプロ野球生活をホークスでスタートできたっていうのは良かったなと思います」

――新天地ではどんなプレーを。
「僕自身、これといって強みがあるわけではないと個人的には思うので。でも、やっぱり本当に1年目から大きな怪我なく、年間通して投げられているので、そういうところで、どこでも投げられますっていうところで、自分が勝負していくポイントなのかなと思っています」

――最後にファンの皆さんにメッセージ。
「去年の悔しさをやり返すシーズンに今年をしたかったんですけど、なかなか今年はそれができなくて、そのままホークスを離れることになっちゃったのは申し訳ないなとは思うんですけど、1年目から応援してもらって、ドームでの歓声とかは今後忘れることはないと思います。チームは変わりますけど、またホークスの応援はもちろん、ちょっと僕の今後の活躍とかも気にかけてもらえると嬉しいです」

(ペン記者囲み)
――去年の最終戦がやはり印象深い。
「あれ以上の経験もなかなかないと思う。だからこそ、それをいい方向に自分で変えていきたかったんですけど、今年とかも特に考えすぎちゃうことが多かったので、早く結果出さないと、といった焦りとかが自分をどんどん駄目な方に追い込んでいったので、今年で言えば、自分としてミスだったかなと思います」

――リーグが変わる。
「やることは変わらないかなと思うので、ホークスでやってきたことを出せたらなと思います」

――巨人というチームのイメージ。
「ホークスに在籍しながらですけど、個人的にずっとジャイアンツファンだったんで、その話を聞いたときは最初は驚きもありました。ジャイアンツの歴史と伝統があるユニホームを着られるというのは、個人的には喜ばしいことだなと思いました」

――巨人で好きだった選手は。
「上原さんとかは個人的にすごい好きでしたね」

――監督が阿部さんに変わった。
「本当に小さいときに見ていた選手で、日本を代表する選手だった。それこそ阿部監督だけじゃなく、首脳陣の方々の名前を見ても、小学生、中学生ぐらいのときに見ていた人たちが首脳陣としていられるので、すごく楽しみだなという気持ちがあります」

――トレードが転機になるかもしれない。
「去年の10月2日に打たれて、そこが自分で大きな分岐点かなと思って、今年やって駄目で。駄目だったなと思っていたら、またトレードで大きな転機。逆にこれはチャンスだと思って。巡ってきたチャンスを逃がさないためにも、今年失敗したことを生かしてジャイアンツではやっていきたいと思います」

――小久保監督との話は。
「小久保さんもジャイアンツを経験されていますし、同じ道を辿ることになったね、というか。ジャイアンツも大変だけど頑張って、みたいな話でした」

――巨人で話を聞いてみたい選手はいますか。
「具体的に誰っていうか、まだ人間関係も不安というか、うまく馴染めるかなっていう不安もあるので、そこはまだわからないですけどね。でも、自分から積極的にコミュニケーションを、球界を代表する方々がたくさんいるチームなので、そういった方々もそうですし、それ以外の自分の年下であったりでもいろんな話を聞けたらなと。具体的に誰とかはないですけど」

――どういうところをアピールしたい。
「本当に僕の立ち位置的にはホークスでは、どの場面でもいくっていうところが強みだったと思いますし、とりあえず、誰を出そうか迷ったら泉みたいなところはあったと思う。連投とか登板が過密になってきても耐えられるというか、ある程度の耐性はこのホークスの5年間でつけてきたつもり。セ・リーグはDHがないので投手が代わったり、というのは今まで今まで以上に多くなるのかな、と思うので、その中でもどこでもいけるっていうのは大事かなと思う。そこを勝負できるポイントとしてやっていけたらと思います」

――チャンスはある。
「今年のジャイアンツがどうだったとかっていうのは、もちろん数字とかでは出ているとは思いますけど、僕自身、そこは何も関係ないと思っている。ジャイアンツの投手陣がどうであろうと、自分のやることをやって、チャンスをつかめたらなと思っているので。競争意識を持つことも大事ですけど、自分を見失わないことが今は大事かな、と思います」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)