野村勇に厳しい注文「もったいない」 身につけるべき習慣とは…小久保2軍監督コメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:荒川祐史】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:荒川祐史】

ヘルナンデスが1回無失点で1軍合流へ 石川柊太は4回無失点も「あのくらいは投げる」

 ソフトバンク2軍は12日、宮崎県内で行われている秋季教育リーグ「宮崎フェニックス・リーグ」でヤクルトと対戦し、1-0で勝利した。2回、先頭の水谷瞬外野手が左越えの二塁打で出塁し、続く川村友斗外野手が右前適時打を放って先制した。投手では先発の石川柊太投手が4回無失点、ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手が1回無失点、ジョー・ガンケル投手が3回無失点、古川侑利投手が1回無失点の完封リレーで接戦を制した。この試合の小久保裕紀2軍監督の一問一答全文は以下の通り。野村勇内野手を「すごく能力は高い」と評価するからこそ「もったいない」と厳しく言及した部分とは。

――先発の石川投手の内容に関しては。
「フォームが結構変わっていましたね、途中ね。僕の場合は、メカニックはわからないですけど。元々のフォームに近い感じには、僕は見えました。本人とは話していないですけど。あのくらいは投げますよね」

――球数的には予定通りだった。
「4回。もう4回って決めていたので。4回で、ヘルナンデスが1回。予定通りですよ」

――ダーウィンゾン・ヘルナンデス投手は、クライマックスシリーズを見据えた登板。
「そう。1軍からはもう、このクールで2回投げさせてということで。このまま上に合流します」

――ジョー・ガンケル投手の内容は。
「今日なんか真っ直ぐ強かったですね。元々3イニングっていうのもあったから、結構飛ばしていたんじゃないですか。『いつもと一緒なん?』って聞いたら『いつもよりも力がありました』って、陸(渡邉陸捕手)は言っていました」

――このフェニックス・リーグでは、カーブを若いカウントから狙うという中で、相手投手でもカーブを操る投手が多かった。
「そうね。ジェシー(水谷瞬外野手)が1打席目? どこかの1球目であったんですけど。でも本当に、水谷はバッティング良くなりましたね。あと井上(朋也内野手)は2ストライクに追い込まれてからのカーブにしっかり止まるし。カーブもそうやし、レフト前と。ファウルを打った時もそうですし、1ストライク0ボールから。ちょっと、バッティングが1軍で自信をつかんだのか、勝負できそうな姿になってきましたね」

――カーブは来た瞬間に力んでしまうような球種なんでしょうか。
「というか、僕はカーブは待たなくても打てたので。打てない人の気持ちがわからないんですよ。真っ直ぐを待っていてカーブって止まるものなので。スライダーは狙わないと打てないし、カットボールは真っ直ぐのつもりで打ちますけど。だってカーブって、子どもの時にたまにティー(打撃)で、たまに緩い球を投げられるじゃないですか。普通に止まるじゃないですか。あれなんで、カーブは。ちっちゃい時から一番練習している方法だと思うんですけどね」

「球種が多い時代で、(ケアしないといけない)球種を減らした方がいいでしょう。真っ直ぐを待っていてもカーブを打てるとなると、1個減らせるので。そういう発想になっていってほしいですね。そういうところ含めて明石(健志2軍打撃)コーチ、村上(隆行2軍打撃コーチ)さんが、抜け球のカーブは今年は意外と振ってみたらヒットゾーンに飛んだりとか。回転も少ないからよく飛ぶんですよ」

「なのに、打ちに行かないというか。パワーカーブは別にしても、抜いてきたカーブって本当よく飛ぶので。打っていってほしいですね。引き続き」

――野村勇選手は4打数1安打でしたが、悩んでいるような感じですか?
「村上さんが去年1軍の打撃コーチで、ずっとやっていて。今年、途中(1軍に)行きましたけど、昨日も今日もまあまあ、ティー打撃をしながら、頭の整理をさせながら。僕も気になったところは話をしましたけど。ただ同じことを繰り返しているので、あんまり賢い子じゃない。『ちゃんと野球ノート作ってるか』って言ったら、作っていないって言うから」

「やっぱりね、覚えられないじゃないですか、全部。コーチに何を言われたか、自分がどういうふうに感じたとか、試合でどうやったとか、残さないと。朝球場に来ます、バッティングは昨日コーチに言われたことを軸に考えながら、こういう取り組みをしたいとか。これ野球だけじゃないですよね、一般社会でもそうですよね。仕事に行くなら」

「それをせずに来て、またゼロから聞いて始まるから。能力的にはすごく高いので、もったいないと思います。だって、仲田(慶介外野手)や西尾(歩真内野手)、川原田(純平内野手)、あんなパワーないけど必死こいて頭を使ってやっていても、及ばないところ。彼の場合は、普通に今日のフリーバッティングでもボンボンとバックスクリーンに入るわけでしょう。それを生かすも殺すも、同じことを繰り返す子って僕はあまり伸びないと思うので」

「そこは、本当に心構えだと思うんですよ。言われたことをしっかりとメモりながら、頭を整理してからグラウンドに出てくる。基本中の基本なので。だから、今日宮崎空港で手帳を買ってくれることを祈っています。今から行くので。昨日、今日のことを思い出して、ちゃんと書いて。そういう習慣をつけてほしいです。1年経ってやっていないっていうのは」

「去年の活躍からしたら、本来ならもう少し上がっていかないといけない。出番が少ないとか、打っていたら出番はあったわけなので。それを言い訳にしたらあかん。大事なところですよ、本当に。その辺は『ノート買いますか?』って逆に聞いてやってください」

――1軍管轄の選手にとっては、この2日間はいい時間となった。
「打席はもちろん与える予定だったので。行っても、向こうでは主力ではないでしょうけど。でも、生海(外野手)が行くのは不思議なんですけど……不思議って言ったらあかんけど(笑)。ベンチでしっかりと声を出しながら、来るチャンスを待って、やってきてくださいというところです」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)