小久保2軍監督から「宮崎、来いよ」 仲間の手で3度…奥村政稔の胴上げに隠されたドラマ
5日に戦力外通告を受けた奥村は6日のチーム出発を見送りに博多駅へ
仲間たちの手で3度、宙を舞った。7日に行われた巨人とのファーム日本選手権(ひなたサンマリンスタジアム宮崎)に6-5で逆転勝ちし、4年ぶりのファーム日本一となったソフトバンクの2軍。劣勢をひっくり返す一戦で三塁側のカメラマン席から仲間たちを頼もしそう見つめていたのが奥村政稔投手だった。5日に戦力外通告を受けた右腕は優勝を決めた後、小久保裕紀2軍監督に続き、選手たちの手で胴上げされた。
「感動しました。ずっと感動していました。本当にいい思い出になりました。周りがああやって言ってくれて、どちらかといえばイジられキャラなんですけど、最後、それが良かったかなと思います」
劇的な展開だった。一時は4点差をつけられる劣勢だった。6回に川村友斗外野手の適時三塁打などで2点差に詰め寄ると、8回にリチャード内野手の特大ソロで1点差に。さらに無死満塁とし、笹川吉康外野手の二ゴロで追いつき、渡邉陸捕手の犠飛で勝ち越した。9回は奥村のユニホームをスーツケースに忍ばせて持ってきた尾形崇斗投手が締めて、歓喜の瞬間を迎えた。
(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)