松田宣浩へホークス復帰のラブコール 明石健志コーチ「こちらの世界へようこそ」

ソフトバンク・明石健志2軍打撃コーチ【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・明石健志2軍打撃コーチ【写真:藤浦一都】

2人だけの思い出は2015年の日本シリーズ「何の合図かはわからなかった」

 ソフトバンク、巨人でプレーしてきた松田宣浩内野手が28日、今季限りでの現役引退を表明した。18年間の現役生活のうち、17年を過ごした古巣ソフトバンクの盟友たちも“熱男”の引退を惜しんだ。その中の1人が、明石健志2軍打撃コーチだった。

 ウエスタン・リーグ優勝へマジック「1」としていたソフトバンクの2軍はこの日、山口・由宇球場で広島と対戦。試合前に鷹フルの取材に応じた明石コーチは、昨季まで共にプレーした松田の引退に「ショックですよね。プロ野球界が寂しくなるなって」と残念がった。

 明石は松田より一足先に、昨季限りで現役を引退。松田は「40歳まで現役」の思いも強く、ホークスを退団して巨人で現役を続ける道を選んだ。明石は「初めから40歳までやるって自分の中で決めていたと思う。それで40歳までやったので、そこまで言って、本当にできたのがすごいと思います」と敬意を表した。

 松田とは同じ内野手としてチームを支えた。印象に残っているのは、2015年の日本シリーズ。「松田さんが帽子に入ってるスポンサーのロゴを触ってくるのが印象的でしたね。お互いにしていた。何の合図かはわからなかったけど(笑)」。いまだによく理解できていない合図の真意。2人だけの懐かしい思い出だ。

 元気いっぱいでチームを盛り上げる姿を長い間、間近で見てきた明石コーチ。「『熱男』はもともとチームのスローガンだから、松田さんのものではないけど(笑)。プレーでもそうですし、人間としてもすごい特別というか、偉大な存在でした」と語りつつ「ただ自分がエラーしたら全く声が出なくなるんで(笑)。松田さんが声を出していない時はエラーしたとき」とエピソードも明かす。

 まだ、松田の引退後の進路は未定ながら、明石コーチは「こちらの世界へようこそ! っていう感じです。一緒にホークスで指導者としてやりたいですね。選手を引退してコーチになった時に、選手とどういう触れ合いや教えをするのかが楽しみ、というか気になります」と、指導者として再び同僚となることを望んでいた。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)