引退の松田宣浩に感謝「悪影響を及ぼさない選手」 小久保2軍監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】

優勝へのマジック1で足踏み…残り3試合「選手も頑張るでしょう」

 ソフトバンクの2軍は28日、ウエスタン・リーグの広島戦(由宇)に1-3で敗れ、優勝はお預けとなった。2軍戦初登板となった育成の前田純投手は4回1/3を投げて2失点。打線は7安打を放ったが、7回1死満塁から川原田純平内野手が放った犠飛の1点に終わった。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答は以下の通り。

――育成の前田純投手が好投した。
「想像以上! 真っ直ぐそんなに速くはないんでしょうけど、多分出どころがちょっと見にくい感じで、(胸の)ラインが長いような感じがした。初めてピッチングフォームを見たんですけどね。一応、(3軍戦で)11勝を挙げていたんで、どうなのかなと思ったら、左打者にもインサイドに投げられたし、落ちるチェンジアップかフォークか知らないですけど、左打者にも投げられていたので面白いなと思いましたね」

――優勝のかかる試合での登板。
「そのまま勝ち投手になれば、一番よかったんでしょうけど、でも、5回(4回1/3)までいったら十分。あそこ(4回1死一、二塁)はあいつに責任を負わすよりは(中村)亮太に任そうということで行ったんで。十分なピッチングをしたので、次も見てみたいですね。公式戦ではもうないですし、フェニックスリーグもどうなるかは分かんないですけど」

――フェニックスリーグに連れて行きたい?
「1軍との兼ね合いがあるんで、そこがまだ全然決まらなくて。1軍の順位が決まらないと、どの試合に誰が投げるのかも決まらないので。間違いなくそこ(1軍投手)は入ってくるので。でも、また見てみたいと思いました」

――広島の投手陣に苦戦。
「今日は遠藤、昨日は玉村と1軍で登板しているピッチャーで。(マジック対象チームの)オリックスは負けると思ってなかったですけど、わかりやすいじゃないですか。残り3試合中、1つ勝てば良いし、3つ負けたら優勝を逃すし、分かりやすいシチュエーションなんで。ここまで来たら地元で待ってるファンのために、選手も頑張るでしょう」

――松田宣浩選手が引退。
「昨日、電話がありましたた。去年も一緒にやってて、体的には全然問題ないという中で、何とか40歳まではやりたいっていうこだわりが彼の中で強かったんでジャイアンツに行ったんですけど、この先も野球に関わっていく人生を考えれば、1球団で終わるよりは2球団の方ががいいと思う。他球団を見るっていうのは大事なんで、その経験ができたのがよかったんじゃないですか」

――どこにいてもスタイルは変わらなかった。
「それが彼の野球人としてのスタイルですし、一番の良さでもある。(巨人)2軍の二岡監督には昨日電話してお礼を伝えましたけど、『マッチは本当によくやってくれました』みたいな話だった。二岡監督もそういう言葉をかけてましたね。どこに行っても変わる子じゃないと思いましたけど、でも、思うような結果が出ず、2軍暮らしが長かったでしょうけど、間違いなく2軍の選手に悪影響を及ぼさないプレーヤーで終わったと思いますね。どっちかと言えばいい影響を与えられた形で終わったんじゃないですかね」

――松田選手にはどういう言葉を?
「もうお疲れさんって言葉をかけましたし『これからどうすんの?』って聞いたら濁されました。聞かん方がよかったかなって」

――一番の思い出は?
「チームメートとしては僕の後にサードを守ったんで、一緒にやってて元気が良かったっていう印象ですけど、侍(ジャパン)の印象の方が強いですね。やっぱり彼抜きではちょっと考えられない編成だったので、世界一にはなれなかったんですけど、常設の侍の中で、入れ替わり立ち替わりいろんな選手を呼ぶ中で、彼の存在ってすごい大きかった。それは本当に感謝しています。寄せ集めチームの中で彼みたいな、常に元気を出す選手がいるってのは心強かったですね。あとは僕の事を性格も含めて知ってくれてるっていうのも大きかったですね」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)