39度の高熱、体を襲った具体的な症状…中村晃が明かす療養期間「初日は食べられなくて」

ソフトバンク・中村晃【写真:竹村岳】
ソフトバンク・中村晃【写真:竹村岳】

16日に登録抹消となり、チームは2勝4敗「申し訳ない気持ちがありました」

 ソフトバンクの中村晃外野手が22日、PayPayドームでノック、フリー打撃などで汗を流した。16日に特例2023で登録抹消となり、1週間。体を襲った症状を、具体的に明かした。中村晃の今の心境と、現状で首脳陣が考える起用法に迫った。また、中村晃選手が練習に励む23日の様子を、記事の最後に動画で公開している。

 今季は125試合に出場して打率.282、4本塁打、35打点。8月の月間打率は.259だったが、9月は.378と、終盤戦で確実に復調曲線を描いているところだった。残りは11試合で、21日のロッテ戦(PayPayドーム)の試合後には藤本博史監督も、中村晃について「ぶっつけ本番って言い方はおかしいけど、5日間しか休んでいないからね。(それでも)体調も戻っているから。自分でしっかりと動いて、野球ができる体もあるから。すぐに入っていけると思います」と、その存在に信頼を寄せていた。

 中村晃は昨季8月にも新型コロナウイルスの陽性判定を受けて離脱した経験がある。この日は約1時間、打撃と守備で汗を流し「まあ、大丈夫です」と語った。16日以降のチームは2勝4敗と黒星が先行し、結果的にも離脱が響いてしまった。若手を抜擢しながら必死に戦うチームを見ても「(自分が)抜けてしまったので、それは申し訳ない気持ちがありました」と受け止めている。

 同じく16日に離脱した今宮健太内野手も、「キツかったです……」と今回の症状を振り返っていた。中村晃も39度前後の発熱があったといい「高熱と、あとは咳とか頭痛とかです」と苦笑いで明かす。「札幌から(福岡に)帰ってきて、その時はもう熱は下がっていたので。できることはやっていました。(一番熱があったのは、15日に札幌に)移動した日の夜中くらいですかね」と具体的な時期も続けた。

「(体重も)そんな変わっていないと思いますけどね。初日はそんなに食べられなくて。でも次の日からは普通に食べられていたので。そこまで差はないと思いますけど。普通に、いつも通りに食べられていたので」

 22日には生海外野手が登録抹消になった。中村晃は23日にも1軍に昇格する予定だ。藤本監督も「相手も中村晃が打席に立っているのと、立っていないのと全然違うでしょう」と話していた。この日に練習を見守っていた森浩之ヘッドコーチも「ちょっと息苦しさはあるって言うけど、全然動けるので。大丈夫だと思う」と期待を寄せる。結果はもちろん、その存在感も含めてチームの力になってほしいと首脳陣は言う。

 23日のロッテ戦で今宮は3打数無安打、三森大貴内野手は4打数無安打だった。“病み上がり”で、森ヘッドコーチも「三森も『160キロくらいに感じました』って言っていた。そら久しぶりやったら感じるわって話もした」と代弁する。それでも「帰って来てくれたら引き締まるし、安心もする。明日、晃が帰って来られるようならスタメンで……。帰って来るイコール、監督だって使うと思う」と話す。予想先発は左腕の田嶋。今季を支えてきてくれた選手とともに、この終盤戦を駆け抜けるつもりだ。

 中村晃も「しっかりと結果を出せるように頑張りたいなと思います。今年やってきたことをしっかり出せればいいかなと思うので、それだけじゃないですか」と静かに闘志を燃やした。優勝は逃してしまっても、1つでも上の順位を目指す。可能性がある限り、グラウンドで全力で戦う。

(竹村岳 / Gaku Takemura)