栗原陵矢、牧原大成の現状は? 19日の4軍戦で投手が続々復帰…リハビリ組リポート

ソフトバンク・高田知季コーチ(左)と佐久本昌広コーチ【写真:竹村岳】
ソフトバンク・高田知季コーチ(左)と佐久本昌広コーチ【写真:竹村岳】

栗原陵矢は8月30日に右手首を手術…現在は体幹メニューが中心

 ペナントレースも終盤戦を迎えている中で、自分自身と向き合い続けている選手もいる。ホークスのリハビリ組には現在、栗原陵矢外野手や牧原大成内野手、正木智也外野手、風間球打投手ら、実績のある選手も未来に可能性を秘めている選手もいる。鷹フルは佐久本昌広リハビリ担当コーチ(投手)と高田知季同コーチ(野手)を取材し、現状を聞いた。19日の4軍戦では、続々と選手が復帰する予定だという。

 まずは投手だ。15日、風間がシート打撃に登板した。本人も好感触で、佐久本コーチも「段階というか、目標と課題を確認しあってやっています」と言う。4月に腰椎分離症を発症した右腕は19日に復帰登板を果たす予定で「ストライクゾーンに強く投げ切ること」とクリアしてほしいテーマを託した。19日には右肘痛でリハビリ中の田上奏大投手や、背中に痛みを感じていたマイロン・フェリックス投手も登板するという。

ソフトバンク・風間球打【写真:竹村岳】
ソフトバンク・風間球打【写真:竹村岳】

 地道なリハビリの中で、風間は笑顔が戻ってきた印象だ。佐久本コーチも「ファイティングポーズは取っていますよ。体に不安はないので、あとは練習あるのみです」と前向きに取り組んでいることを代弁する。「スイッチが入っているから止める必要はない。ただこの現状では、良い方にも悪い方にも転ぶので。その時は一緒に改善していけばいい」と首脳陣なりに手綱も取って、ようやく実戦マウンドの一歩手前までやって来た。

 逆に、まだ時間がかかりそうな投手に関しては「トミー・ジョン明けの宮崎(颯投手、1月に左肘を手術)とか、ダブル木村(木村大成投手と木村光投手)とかもまだ投げていないので。やっぱりまだ投げていない投手は診断次第ですね」と話すにとどめた。今年7月に支配下登録された木村光だが、今は胸椎を痛め、練習中でもコルセットを巻きながらリハビリをこなしている。

 続いて野手だ。栗原は右手首の骨折で8月24日に登録抹消。30日には佐賀市内の病院で手術を受けたことが発表された。左手を使ってティー打撃などはしているものの、本格的な練習はまだ先になりそうで、この日も体幹メニューが中心だった。「まだ腫れがある以上は動かせない。腫れが引いて、痛みがなくなっていけばいいですけど、まだそこまでは行っていないです」と高田コーチも現状を代弁する。

ソフトバンク・栗原陵矢【写真:竹村岳】
ソフトバンク・栗原陵矢【写真:竹村岳】

 栗原が骨折したのは「右有鈎骨」。左打ちの選手にとって左手が押し込む手、右手がリードする手と言われる。現役時代に通算444試合に出場した高田コーチは「ボールが来て、自分が思ったインパクトで打てなかったりすると、ボールの勢いに負けちゃって、思った以上に負担が来る。そのリスクは誰にでもあると思う」と言う。「トラウト(エンゼルスのマイク・トラウト外野手)もそうだと思いますけど、詰まった時が一番怪我しやすいと思う」と続けた。

 牧原大は8月30日のオリックス戦(PayPayドーム)で右手に四球を受け「右尺骨茎状突起剥離骨折、右尺骨茎状突起部骨挫傷」と診断された。高田コーチも「現状はまだ固定の装具は継続となっている。守備は全然大丈夫ですけど、打球捕もしていますし。固定が外れない限りはという感じ」と話す。球団からの発表も「全治は未定」とされていたように、現状も、骨をくっつけている段階だそうだ。

 右肩痛の正木も、リハビリ組での調整が続いている。1度、指名打者など“打者”として実戦復帰を果たしたが、リハビリ組からリスタートを切っている。野手において、肩に痛みが出るケースについて高田コーチは「肩に頼ってしまうとですね、足を使えれば良いんですけど。あとは痛みがあって、そこをかばって投げたりすると痛みが出る。意識的なのか無意識なのかにもよるんですけど」と解説した。

(竹村岳 / Gaku Takemura)