7月25日に右手中指のマメの影響で登録抹消 プロ初の抹消に「悔しい」
少しだけ戦線を離れている間に、変化があった。ソフトバンクの大津亮介投手が6日、ウエスタン・リーグの広島戦(タマスタ筑後)に登板。1イニングを3者凡退に抑え、結果で応えた。見守った小久保裕紀2軍監督も「普通に投げたら1軍の投手ですから」と評価する。右手の中指のマメから復帰登板を飾り、充実の17球となった。
6回から2番手としてマウンドへ。先頭打者は2021年に1軍で10本塁打を放った林。最後は直球で詰まらせて投ゴロに打ち取った。ライナーを捕球しきれなかったが、グラブに当て、冷静に打球を処理した。続く木下は9球目まで粘られるも、最後は二ゴロ。二俣は初球を打たせて遊ゴロと、変化球も生かしながら持ち味が存分に光った内容だった。
7月25日に登録抹消となった。右手の中指にできたマメの影響で「試合前のキャッチボール中、もう痛くて投げられなかったんです。(首脳陣に)伝えて」と経緯を語る。社会人時代にも同様の症状は経験があるといい「自分は挟む系の球種で結構なっていました」。フォークなどの多彩な変化球を操る新人右腕。その“代償”は、指にしっかりと表れてしまった。
日頃から、指や爪のケアを欠かすことはなかった。「マニキュアの専門の方からもらったスプレーと、ネイルを塗るやつと、専用の洗うやつはしています」。今季は新人ながらも、1軍で34試合に登板。開幕して3か月が経過して初の登録抹消を経験し「やっぱり悔しいです」と感情を隠さないのも、負けず嫌いな大津らしかった。
リハビリにいる間に、見た目にも変化があった。代名詞でもあった長髪をカット。少しだけ短くして、リハビリに励んでいた。その写真を鷹フルのツイッターにアップすると、ファンからも「似合う」「長いのも好きだったけど短いのも可愛くて好き」「1日でも早く帰ってきてね」「スッキリさっぱりでいい感じ」と称賛の声が相次いだ。
本人に経緯を聞くと「いつも切っている大名のところで切ってもらいました」と“行きつけ”のお店があるそう。プロ入り以降は「興味本位というか、ちょっと伸ばしてみたいなって思っていたんです」と意図的に伸ばしていたことを明かしたが、ついにハサミを入れてもらった。笠谷俊介投手や柳田悠岐外野手ら、長髪の選手も多くいるが「影響(を受けた)というよりは、自分で。ちょっと納得するまで伸ばしてみたいと思っていた」と話す。
自分の“限界”に挑戦していた長髪。しかし「気分転換に切りました。ちょっと鬱陶しくなっちゃって。夏場はとにかく暑いので。帽子の後ろとか。ちょっとだけ切りました」と連日の暑さがきっかけとなった。ファンからSNSでメッセージも届いたといい「ファンの人は『似合ってる』って結構言われます」と好評だったようだ。1軍のマウンドを目指して、クールな右腕がリスタートを切った。
(竹村岳 / Gaku Takemura)