25日にタマスタ筑後で行われた2軍の練習。こう語り、明るい表情を浮かべたのは正木智也外野手だった。1軍で18打席ノーヒットが続き、出場選手登録を抹消。21日に山口・由宇球場で行われたウエスタン・リーグの広島戦から2軍に合流した期待の2年目が復調への第一歩を踏み出した。
この日の練習から小久保裕紀2軍監督による打撃指導が始まった。広島との3連戦を見て、小久保監督の感じていた課題を正木本人へと伝え、付きっきりでみっちりと打撃指導が行われた。昨季も復調のアドバイスをくれた恩師の一言一言が正木の身に染みた。
小久保2軍監督が正木の課題として見たのはこうだ。正木が明かす。
「ちょっとバットが寝過ぎている、だから自分の“間”とかタイミングは合っているけど、バットちょっと寝る分、捉えたと思ってもちょっと差し込まれる、という話があった」
オフからキャンプ、オープン戦にかけて、バットのヘッドの重さを使ったスイングに取り組んできた正木。それを意識し過ぎたのか、ヘッドが下がり、バットが寝すぎるようになってしまった。タイミングが取れていても、自分のイメージしたポイントにバットが出てくるのが、わずかに遅れ、捉えられなくなっている、と小久保2軍監督は分析した。
早速、指揮官からアドバイスがあった。「ちょっと締める感覚、締めて打つという話でした。去年の後半戦で良くなったのは、下半身の使い方で、今までガバッて回っていたのを、ちょっと締める感じで回すようにして良くなったんです。下が締まって良くなったんですけど、上が寝過ぎてしまうと、上と下が合わなくなる。下も閉めるなら上も閉めないと、上と下が合わない、ということでした」。この日の練習でこの意識を取り入れてみると、感覚が良くなったという。
「(広島戦でも)捉えたと思って詰まったり、逆に早かったりがあってズレは感じていました。(今日はそれが)迷走していた部分があったんですけど、解消されて、納得したので続けていきたいと思います」。1日で全てが修正されるわけではないが、正木自身、モヤモヤが少し晴れた様子だった。
正木はこうも語る。「1軍にいたらバットの軌道とかってのは多分、言わないようにしてくれていると思うんです。そこを変えるって結構、時間がかかる作業なので、1軍にいるときに、そこを言われたら狂っちゃうので」。1軍は勝負の場であり、微修正はまだしも、大掛かりな打撃修正を行う場ではない。1軍と2軍の役割の違いを、正木自身はこう受け止めた。
「小久保さんは信頼している方ですし、去年も小久保さんに言われたことを継続してやったら、1軍で結果を残せた。1番信頼している方なので、その方に教えてもらえたのはありがたいことなので、自分自身も納得しましたし、嬉しいなと思いました」
小久保2軍監督によって始まった“正木再生計画”。1軍の首脳陣からも、ファンからも期待の大きい大砲候補。復調を遂げて、1軍の舞台に戻ってくる日を楽しみに待ちたい。