打率4割なら1軍昇格? 柳町達が4安打も…小久保2軍監督が課す“厳しい条件”

ソフトバンク・柳町達【写真:竹村岳】
ソフトバンク・柳町達【写真:竹村岳】

2軍降格の正木智也の姿に「だいぶ心配していました」

 ソフトバンク2軍は19日、ウエスタン・リーグのオリックス戦(タマスタ筑後)に2-0で勝利した。「6番・指名打者」で出場した柳町達外野手は4打数4安打1打点の固め打ち。「全部よかった。後半になるにつれて、ボールの見え方も良くなっていったと思います」と納得の表情で振り返った。

 2回1死三塁では右腕・小野の150キロを左前に運ぶ先制の適時打。4回2死で中前打を放つと、6回2死一塁でも中前打。8回2死の中前打で締めくくり、堂々の4安打だ。試合前の打率.233から打率.324にまで上昇。開幕1軍はつかんだものの、わずか1日で登録抹消となっただけに「いつ呼ばれても大丈夫な準備をしておかないといけない」と表情を引き締めた。

 1軍では近藤健介外野手や柳田悠岐外野手、栗原陵矢外野手ら左の強打者が並ぶ。小久保裕紀2軍監督も柳町には「打ち続ける以外は1軍に上がれないんで。去年も4割いって1軍に呼ばれているわけなんで。そのぐらい打つしかないですね」と具体的なハードルを設けた。柳町自身も、層の厚さを受け入れて戦うしかない。

「2軍でいい感じの打席やプレーを続けて。どこかが空いたらすぐに入れるように準備するしかないと思います。内容や取り組みも、1軍で活躍するためにしっかりしていきたいです」

 昨季は1軍で89安打を放ったが、本塁打ゼロに終わった。ここ最近の不調の要因を「飛ばそうと考えると、力が入ってバットが(体から)離れちゃう原因になっていた」だと語る。「ポイントを前に設定して、バッティング練習した結果がこういう結果になったと思います」ともう一度足元を見つめて、いきなり結果で応えてみせた。

 長打力は自分に足りないピースでもあった。「試合で飛ばそうというよりは、練習の中や試合展開によって」とあくまでも自分はヒットマンであることは理解している。その上で「打てないよりは絶対に打てるに越したことはない。それをやりすぎるとこう(力んでバットが体から離れる)なると気付かされました」と、開幕以降の取り組みを振り返った。

 この日、正木智也外野手が登録抹消に。慶大時代の2学年後輩は開幕スタメンを射止めたものの、18打数無安打。苦しむ後輩の姿を「だいぶ心配していました」と見つめていた。「うまくいく時もあればいかない時もある。落ちてもまた試合があるし、すぐに挽回できると思うので。しっかり1年間、一緒に戦い抜きたいと思います」と“共闘”を誓う。柳町にも正木にも、まだまだやり返せるチャンスはある。

 一方で、増田珠内野手はウエスタン・リーグで打率.340と結果を出し、1軍への切符をつかみ取った。柳町は「ああやって結果を出して上がったので、僕も結果を出せば上がれるんじゃないかなと思います。そういうところで刺激になっていたかなと思います」と力に変える。自分にチャンスが回ってくることだけを信じて、今は結果を残していくしかない。

(竹村岳 / Gaku Takemura)