2年連続で開幕勝利投手も…田上奏大に「不満ですね」 小久保2軍監督のコメント全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:米多祐樹】

ウエスタン・リーグが開幕…2年連続で開幕投手は3年目の田上奏大

 ソフトバンク2軍は17日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの開幕戦で中日と戦い、9-4で勝利した。先発の田上奏大投手は6回4失点。ウイリアンス・アストゥディーヨ内野手が3回に1号満塁弾を放つと、育成・川村友斗外野手も6回に1号2ランを放った。試合後、取材に応じた小久保裕紀2軍監督のコメント全文は以下の通り。

(テレビインタビュー)
――試合の総括としては。
「田上がいい立ち上がりをして、5回までゲームを作ったのが勝因ですけど、6回に捕まるだろうからこの投手とこの投手を用意しておいてくれと言ったら、案の定その通りなので、不満ですね。80球を超えたら絶対に落ちるので。3年目のハタチでその体力のなさは、ちょっと去年とあまり変わっていないです。ゲームを作れるのはいいことですけど、もうちょっと上を目指さないと」

――川村が2ラン。
「本来は、1軍にいけるはずじゃなかったけど、思わぬ活躍で(1軍帯同が)長引いているんですけども、貫禄が出てきましたね。エンドランもきっちり決めていたし、その後にホームランを打って。もともと守備と肩、足もいいので。誰か外野手と言われたのですぐに推薦したんですけど、あんなに打つとは思わなかったです」

――短期間だが変化を感じる。
「本人は手応えあるでしょう。そりゃ1軍の舞台であれだけコンタクトできているんですから。それは自信にしていいと思います」

――アストゥディーヨにも結果が出た。
「1軍も右の打者は欲しいはずなので。状態さえ上がればすぐに1軍に合流になると思うので、この感じを続けてほしいですね。根っから陽気なやつなので、楽しいですけどね」

――4番の笹川選手も1安打ながら強い当たり。
「その前の四球です。アストゥディーヨの(満塁弾の)前の四球。あれは今日の一番のポイントなので。あそこでよく四球を選んだ。その後も一、二塁間に打って、結局そこで点が入っているので。2軍といえども、さっき挨拶でも話しましたけど、121人を抱えている中での2軍の4番ですからね。それは恥ずかしくない成績を残さないといけないでしょうし、そういう点ではいいスタートを切った。四球も、そういう四球を積み重ねてほしい。価値のある四球でした」

「ただ目標がちょっと、打率3割なので。ホームランを2桁打たなくていいのでと念押ししました。それが今年のテーマです」

――改めてどんなシーズンにしたい。
「どんな野球がしたいというのはないですね。その状況に応じて、当然、打席数の確保や試合数の確保、それが一番。7回とかまで勝っていれば勝ち切る継投も考えますけど、それまでは基本的になるべく試合に出させられるように選手を起用していきたい」

――競争が激しい。
「するしかないですよね。今年は、結局4軍ができて、3桁の選手が(チームに)残りましたけど、今年のオフはそうはいかないので、危機感を持ってやるべきだと思います」

(ペン囲み)
――田上の課題はスタミナ。
「ずっと課題。70球を超えたらヘバるから。今日はもう6回で4番からで、7番8番9番が左だったので、そのあたりで田浦を合わせて。9番で切れたけど、あれで切れていなかったら三好のところで田浦でしたね」

――練習してもなかなかスタミナがつかないもの。
「ちょっと持久系はそんな強いタイプではないので。でも、そこをするしかない。心拍数を上げて、血流を流して、乳酸を早めに除去して。体を作るしかない。持久系のアプローチを続けていかないといけないね」

――アストゥディーヨの修正に関しては。
「タイミングがうまく取れていなかったと言っていたので。日本のクイックにやられているみたいな話はしていました。だいぶ、対応できている。でも僕は初めて見たので。キャンプでも見ていないので、どこが悪かったのかあまりよくわからないです。ちょっと体が突っ込み気味なのはあると思いますけど、でも追い込まれて柔らかいバッティングができたりね。右が必要というのは間違いないと思うので。この活躍をしていたらすぐに呼ばれると思います」

――育成の川村は本来ならどれくらい1軍に行く予定だったのか。
「知らない、それは」

――1軍を経験して変化を感じることは。
「相変わらず『ザ・いい人』なので。いい人なんですよ。あまりがっつかないし、人を蹴落とすとか、足を引っ張るのは良くないけど、かき分けてでも1軍にいってやるというのはあまりないタイプ。今回で欲が出てくればいいなというところですね。俺でもできるやんみたいな。お坊ちゃんみたいな感じ…知らんけど! 生まれも育ちも知らんけど」

――“今っぽい”といえば、そんな子ですか。
「ですね。でも守備が、1軍に行くには最低でも守備と足がないと勝負できないので。だからそこがあるのは強みですね。昨日藤本監督に挨拶もいきましたけど、バッティングの方も高い評価をしていたので。3枠しかない中でいきなりねすぐ(レギュラー)ということにはならないでしょうけど、戦える、勝負できるものは今つかみつつあると思うので。なんなら、そのままいってほしいのが本音は本音ですけど」

――川村選手は、トレーナーさんから電話番号を聞いて小久保監督に電話をしたと言っていた。
「かかってきましたよ。寝とったから知らん。次の日に電話しましたけど」

――どんな報告でしたか。
「上でも打てましたみたいな。1日でも長く頑張れよと言いました」

――今季から4軍が設立された。これまで2軍でもあった打席数の確保について、変化はあったのか。
「ある程度はあります。ある程度はあるけど、去年とは全然違います。それは俺に聞かんといて。俺が説明することじゃないでしょう」

――競争は競争。
「もちろんもちろん。ある程度、状態の良いというか。ファームとしてのレギュラーを作る方がいいと思いますしね。それに近づけさせられるような数ではあります。詳しい数字はフロントに聞いてください」

――リチャード選手の状態は。
「今、あまり集中できていないですね。上でどんなんだったのか、俺も見ていないのでわからないけど。ちょっと集中力が低い日でしたね、今日は」

――そこも課題になるところ。
「そうですね。ずっと一緒にやっていないのでわからないですけど、キャンプも一緒にやっていないし。一緒にいたら、この時のこのプレーとか、この時の言葉でこうなったとか、あるけど。今日しか見ていないので、わからないです」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)