石川柊太が明かした真相 変化球主体で“投げなければいけなかった”理由とは

ソフトバンク・石川柊太【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・石川柊太【写真:福谷佑介】

低く柔らかい地方球場特有のマウンド「もう必死な登板だった」

 ソフトバンクの石川柊太投手が14日、熊本・リブワーク藤崎台球場で行われた巨人とのオープン戦に先発し、4回1/3を投げて5安打2失点だった。変化球主体のピッチングで77球を投じ「もう1球目でヤバいなと思ったんで、変化球主体になりました。ストレートがどうしても思ったように投げられないんで」と振り返った。

 本拠地PayPayドームと異なる、地方球場特有の低く、柔らかいマウンドに苦しめられた。初回の投球練習で「ああ終わった、と思いました。感覚的にこれは無理だと思った。投げても足が着いていないみたいな感じ」と察知。思うような真っ直ぐは投げられないと割り切り、変化球主体で組み立てていくプランに切り替えた。

 いきなり先頭のオコエ瑠偉に左翼への二塁打を浴びたものの、後続を打ち取って無失点。3回に当たりそこないの打球が左翼線へと落ちるアンラッキーな適時二塁打で1点を許し、5回には甘くなった真っ直ぐを岡田に右翼場外まで運ばれた。「(出力は)キャッチボールくらいの感じで投げた」と、思うような投球ではない中で、5回途中まで2失点でまとめた。

 収穫だったのは、地方球場で良くないなりに変化球を軸にゲームを作れたこと。「シーズン中だったらそんなこと言ってられない。試合後に真っ直ぐが良くなかったとか、地方球場だったからとか言えないので。その中でどうするかっていうところで今日は実戦っぽい感覚でした。やっぱり地方だと変化球でしっかりとカウントが取れたり、抑えるっていうイメージ。かわすピッチングができる年って、すごく自分の中では安定したイメージがあるんで大事」と前向きに捉えた。

 5回に打たれた本塁打も原因はハッキリしている。変化球主体でゲームを作る中で、真っ直ぐへの“欲”が出た。調整の意味合いのオープン戦だけに「ストレートが良くないっていうところで、逃げずにストレートを投げていこうと行って、ホームランを打たれてしまった」と石川は言う。出力を上げようとした結果、外角を狙ったボールを引っ掛けて、ど真ん中へと入ってしまった。シーズン中も石川が先発する火曜日は地方球場開催が多い。そこを見据えた予行演習にもなった。

「もう必死な登板だったんで。本当に横から投げたろうかぐらいの感じで、それぐらいその場しのぎのピッチングだった」と振り返っていた石川。この日の投球は状態を測る参考にはならず。苦戦の中で必死にもがいた中での投球だった。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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