ソフトバンクの小久保裕紀監督が8日の練習後に取材に応じ、直球を狙い打つことの大切さを口にした。この日のフリー打撃では、風間球打投手の速球を前に飛ばせない打者が目立ち、王貞治監督がナインに訓示する場面も。このキャンプでは打撃コーチにある「指示」をしているのだという。
――現役時代に経験のある練習だった。
「全然あるよ。しょっちゅう言われていました」
――フリー打撃で風間球打投手が登板した。真っ直ぐで押していたが印象は。
「風間すごかったね！ 荒れていたけど、前飛んだの2球やん。折れたバットとセカンドフライと。あとは（ストライクゾーンは）全部空振り。びっくりした。なんか違うよね。去年のフェニックス（リーグ）でも、この子えらい真っ直ぐで空振り取るとは思っていたけど」
「球持ちがいいのかな。これはホークスの得意分野で、これからどのくらいのリリースだとか、回転数が……とか言ってくるやろうけど。野球人用語でいうと球持ちがいいのかなと。出どころが見にくいのかなという感じはしました」
――投げっぷりもいい。
「真っ直ぐってわかっていても、前に飛んだのが2球ってなかなかないもん」
――この時期であることを差し引いてもすごい。
「差し引いてもあまり見たことない。そりゃ会長も言うわね」
――武田も登板したが印象は。
「武田は投げる日が決まっているので。自分で計算してやっているでしょう。どこに合わせてとか。あのクラスは自分でやるでしょう」
――投手が登板してのフリー打撃を終えて、その次のメニューは。
「一緒。バッティングです。今年の打撃コーチの意向で、投手が投げる時はその選手の担当だけじゃなくて、全員見させたいといって、あのメニューになっています。バッティングが2回になっているので」
――風間はA組への合流などは。
「この春はないと思う。今年は基本、ファームを中心に回さないといけない投手なので」
――誰かに似ているとか印象はありましたか。
「風間は風間でいいんじゃない？ 体もしっかりしているし」
――王会長が言葉を送る姿を見ると、こちらの背筋も伸びる。
「去年も来てくれていたしね。いいタイミングで逆に来てくれましたね」
「今は真っ直ぐに弱い選手が多いので……。パンと打つイメージは大事なので。今年の打撃コーチには死語になった“強ス”というバッターを作ってくれと言っているので。こないだ首脳陣の食事会でも“強ス復活”みたいな。ダイエーでは林孝哉（現日本ハムヘッドコーチ）以来出てきていないからね。真っ直ぐなら165キロとか打つ、でも変化球は空振りするので。野球界全体に“強ス”がいない」
――監督の現役時代は、真っ直ぐと変化球はどちらが得意でしたか。
「真っ直ぐを基本、打てなかったらこの世界で飯は食えないですよ。真っ直ぐを狙って打てないならね。その基本を伝えたかったんでしょう、会長は」
――球界でいうと、直球に強い選手は吉田正尚らが思いつきます。
「正尚はめっちゃ強いんじゃない？ 村上も強いしね。神宮でも広角に打っているし、そりゃあ狙ったら打つでしょう。じゃないと3冠王は取れないですよ」
