今年の支配下昇格候補は? 最速160キロ右腕や128番目指名の若手ら期待の星

ソフトバンクのマイロン・フェリックス(左)と仲田慶介【写真:藤浦一都】
ソフトバンクのマイロン・フェリックス(左)と仲田慶介【写真:藤浦一都】

2021年ドラフトで最後に指名された仲田慶介は小久保2軍監督も高く評価

 ソフトバンクは2023年、新たにNPBで初となる4軍制を発足させる。昨秋のドラフト会議では14人の育成選手を指名し、支配下6選手と合わせてドラフト史上最多の20人をチームに加えた。これまでの育成システムをさらに拡大させ、チームの戦力充実を図る。

 昨季は藤井皓哉投手が開幕前に育成から支配下に昇格し、シーズンでは勝ちパターンの一角を担う大活躍を収めた。藤井はもとより、千賀滉大投手や甲斐拓也捕手、牧原大成内野手に代表される育成出身者の活躍はホークスを支える要因になっている。

 では、現在の育成選手で支配下昇格に近い選手は一体誰だろうか。注目の育成選手をランキング形式で紹介する。

 第5位は緒方理貢内野手。2020年の育成ドラフト5巡目で駒大から入団したユーティリティプレーヤーで内野、外野をこなせる。育成2年目だった昨季はウエスタン・リーグで68試合に出場し、打率.259をマーク。決して大柄ではないが、本塁打も1本放っており、パンチ力も備えている。

 第4位は三浦瑞樹投手。松本裕樹投手も育った盛岡大付高から東北福祉大を経て、2021年の育成ドラフト4巡目で入団した左腕だ。ルーキーイヤーだった昨季はウエスタン・リーグで11試合に登板して4勝0敗、防御率2.60をマーク。オーストラリアのウインターリーグに派遣されていたところにも球団からの期待が表れる。大崩れすることがなく、試合を作る能力が高い投手で、もう少し球速が上がると面白い存在だ。

 ドミニカ共和国出身のルイス・ロドリゲス投手を第3位に位置付けた。2022年5月に育成契約を結んだ21歳の右腕で最速160キロを誇る。昨季は2軍での登板はなかったものの、フェニックス・リーグで150キロ台中盤から後半の威力ある真っ直ぐを投げ込んだ。まだ粗削りではあるものの、ボールの威力は1軍レベルに迫るものがある。

 第2位は2021年の育成ドラフト14巡目の仲田慶介外野手。この年のドラフトで最後となる128番目に指名されたスイッチヒッターだ。もともとは外野手ながら昨季途中から二塁手にも挑戦。ウエスタン・リーグでも36試合に出場し、打率.268をマークした。とにかくひた向きさが目を引く存在で、小久保裕紀2軍監督からも大きな期待を寄せられている。

 最も支配下登録に近いと思われる存在がマイロン・フェリックス投手だろう。昨季からソフトバンクに加わったドミニカ共和国出身の23歳で、最速160キロを誇る剛腕だ。ウエスタン・リーグでも12試合に登板し、小久保2軍監督も1軍で勝利の方程式を担えるポテンシャルがあると評価している存在だ。

 昨季は藤井が活躍し、守護神のリバン・モイネロ投手も育成出身だ。1軍の戦力になれると認められなければ、支配下昇格の切符は掴めないホークスの育成選手たち。次なる“育成の星”となるのは誰だろうか。

(鷹フル編集部)