2022年、惜しくもリーグ優勝を逃したホークスで、貢献度が高かったのはどの選手なのだろうか。野球を科学的に分析するセイバーメトリクスには、代替可能な選手が出場する場合に比べてどれだけチームの勝利数を増やしたかによって算出される「WAR」という指標があり、総合的な選手の貢献度を表す。
リリーフは登板イニングも少なく、数字が上積みされにくいことから野手や先発投手と比べて「WAR」の数値が出にくいとされる。4位タイに入ったのは、“左キラー”の嘉弥真新也投手。今季は56試合に登板して0勝0敗28ホールド、防御率0.99と抜群の安定感を誇った。ワンポイントでの起用も多く27回1/3とイニング数が少ないことから、WARは0.5だった。
同じくWARが0.5だったのが津森宥紀投手。シーズンを通して1軍でプレーし、キャリア最多の51試合に登板した。後半、調子を落としたこともあって、4勝6敗18ホールドと2つの負け越しを作ったものの、46回1/3を投げて防御率2.91と上々の成績だった。
3位の貢献度を誇ったのが松本裕樹投手。アクシデントで開幕ローテ争いから脱落し、シーズンは中継ぎとして起用された。中盤まではロングリリーフの立場だったが、終盤は勝ちパターンの一角として貢献。WARで見ても0.8を記録した。
トップ2は文句なしの結果に。2位はセットアッパーとして大活躍した藤井皓哉投手。育成から支配下に昇格し、開幕当初こそロングや敗戦処理が役割だったが、すぐに勝利の方程式に組み込まれた。55試合で5勝1敗22ホールド3セーブ、防御率1.12と驚異的な数字をマークし、藤本博史監督から今季のMVPと評されていた。
その藤井を押さえてトップだったのは守護神のリバン・モイネロ投手。WARはリリーフ陣でダントツの2.2をマークした。今季は53試合に登板し、1勝1敗8ホールド24セーブ、防御率1.03をマーク。藤井よりも奪三振数や四球数、被本塁打数などでいい数字を出しており、総合的な貢献度ではチームの救援陣ではナンバーワンだった。
来季はロッテで守護神だったロベルト・オスナ投手の加入が決まり、クローザーの座を任される見込み。このリリーフ陣が果たしてどんな顔ぶれで勝利の方程式を組むのか。来季の浮沈を握る鍵となりそうだ。
今季の貢献度トップ10
1位 モイネロ
2位 藤井皓哉
3位 松本裕樹
4位 嘉弥真新也、津森宥紀
6位 又吉克樹
7位 甲斐野央、田中正義
9位 泉圭輔
10位 椎野新
※先発、中継ぎ双方務めた投手除く