3軍まであるのになぜ? 球界初の4軍制導入で生まれる鷹のメリットとは…

ソフトバンク・三笠杉彦取締役GM【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・三笠杉彦取締役GM【写真:福谷佑介】

多くの選手にチャンスを与える育成システムでチーム強化を図る

 ソフトバンクは30日、球界初の4軍制導入を発表し、ファーム本拠地「HAWKS ベースボールパーク筑後」で会見を行った。会見に出席した三笠杉彦取締役GMは「育成システムをさらに発展させるということで4軍制を導入する」と語る。では、これまでの3軍制から4軍制へと拡大するメリットはどこにあるのか?

 三笠GMは会見の中で、4軍制導入によるメリットとして「支配下の枠は70人と決められたルールがあるが、単純に人数が多くなる。プロの世界の厳しい競争の中では編成上戦力外になったり、アマチュア時代に怪我があってなかなか成長しきれなかった選手もいる。かなり厳しい世界だと思っていますけど、そういう選手を含めてチャンスを与え、結果を出して支配下の契約を掴んでいく、そういうような仕組みがチーム強化に繋がっていく」と語る。

 より多くの人材を抱えることで、開花する選手の数も増える。さらには、ポテンシャルがありながらも怪我を抱えていることで支配下のドラフトで指名されなかった選手、編成上仕方なく戦力外になった選手も含め、より多くの選手をチームに迎えることが4軍制でできるようになる。

 さまざまな理由で野球を諦めなければならないかもしれなかった選手に、プロ野球の、ホークスという球団の充実した環境でトレーニング、実戦の機会を与え、花を開かせる場にする考えだ。イメージするのはメジャーリーグ球団。トップのメジャー球団の下に3A、2A、1A、そしてルーキーリーグが存在し「まだまだ拡大する可能性はあるかなと思いつつ、1Aレベルの4軍を作るということでやってみる」とも三笠GMは語る。

「めざせ世界一をスローガンに取り組んでいる。メジャーリーグに勝てる球団を作りたいと考えている。世界一のプロ野球チームになることを目指して取り組んでいきたいと思っています」とも語った三笠GM。球界初の4軍制導入。より盤石の常勝球団となるべく、ソフトバンクが独自の歩みを進めていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)