なぜ藤井皓哉が先発、栗原陵矢が三塁に転向? 藤本監督が明かすその理由

ソフトバンク・藤井皓哉(左)と栗原陵矢【写真:伊藤賢汰】
ソフトバンク・藤井皓哉(左)と栗原陵矢【写真:伊藤賢汰】

千賀の抜ける来季に向けて「モイネロか藤井を先発にしてはどうか、と」

 ソフトバンクの藤本博史監督がキャンプ休日の15日、報道陣の取材に応じ、藤井皓哉投手の先発、栗原陵矢外野手の三塁への転向の理由について明かした。

 昨季途中からセットアッパーに君臨し、指揮官が「投手陣のMVP」と評価していた藤井。貴重な勝利の方程式の一角だが、千賀滉大投手が抜けることが確実な来季に向けて先発に挑戦することになった。2021年に在籍した四国ILの高知で先発していた経験もあり、この秋季キャンプから先発に向けての練習を行い、準備を進めている。

 藤本監督はこの日「会社の方とも話して、モイネロか藤井を先発にしてはどうか、と。僕は藤井かなと思っていた。独立(リーグ時代)で先発していたし、ノーノーやっているし。松本も考えたけど、7回以降のハマり具合が素晴らしかった。千賀の抜けた穴を埋めたいというか、カバーできる投手は誰かと言ったら藤井しかいない。斉藤学コーチもそう思っていた」と明かす。

 首脳陣の中で意見は一致。藤井本人も先発挑戦を望んでおり、自ら直訴するつもりでいた中で転向話を受け入れた。その後、就任が決まった斉藤和巳1軍投手コーチとも、宮崎入り後に話し合いの場を持ち「納得して先発の方で練習してくれている」と指揮官は言う。

 一方、栗原の三塁転向はチーム編成上の考えもあった。今季、栗原が開幕直後に守った左翼では、栗原の離脱後に柳町達外野手、正木智也外野手らが頭角を現し、FA戦線では近藤健介外野手の獲得を目指している。外野が飽和状態になりつつあることもあり「そこに栗原がいたら大変だな」という。

 終盤に三塁を守った周東佑京内野手も二塁や外野をこなすことができ、今季の開幕で三塁を守ったリチャード内野手は1軍ではなかなか結果が残せていない。栗原は三塁の守備も悪くなく「どこも無難にこなす。基本とかをやったら、しっかりスムーズに入っていけるということで」と、コンバートを決めたという。

 新たな構想で来季に向けて動き出しているソフトバンク。レギュラー争いは「全て白紙」という藤本監督だが、その競争を勝ち抜き、来季の出番を勝ち取る選手は誰か。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)