「本当に成長した」小久保2軍監督が目を細める大砲候補 笹川吉康に見える変化

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】

小久保2軍監督「野球に対する取り組み方にすごい成長を感じます」

 ソフトバンクの小久保裕紀2軍監督が“ギータ2世”の成長に目を細めている。第2クール最終日を迎えた宮崎での秋季キャンプ。B組で野手陣に目を光らせる指揮官は、高卒2年目の大砲について「本当に成長したなと思う。野球に対する取り組み方にすごい成長を感じます」と目を細めていた。

 笹川は2020年のドラフト2位で横浜商高から入団した高卒2年目野手。圧倒的な飛距離が魅力の大砲候補で柳田悠岐外野手の後継者と目されている。体が捩じ切れんばかりのフルスイングが持ち味で、この秋季キャンプの打撃練習では、サブ球場の右翼後方にそびえる防球ネットを超える場外弾を何発も放っている。

 そのパワーはもちろん、小久保2軍監督は姿勢の変化を感じている。「やっぱり野球に対する取り組み方が、気分のムラが少なくなってきたんで、やるべきことをきっちりやれる点では、この秋、しんどい中で歯を食いしばってやるっていうのが彼の姿になりつつある。すごい成長を感じます」。まだ20歳の若鷹。精神的なムラが少なくなり、ひたむきに野球に取り組めるようになってきたという。

 今季はウエスタン・リーグで70試合に出場。打率.195ながら、4本塁打を放った。まだまだ粗さが目立ち、未完成ながら、期待は膨らむ。9日に行われた契約更改後には、来季の目標として「ファームでホームラン王を獲りたいと思っています」と意気込んでいた。

 そんな笹川に対して小久保2軍監督は「今年の秋はボールを遠くに飛ばすというテーマを自分で課題に挙げてきたんで、今はそれを一応やらせています。真っ直ぐだけだったら、打ち損じも少なくなってきた。ただ彼の場合はやっぱり(球種が)ミックスしたときに、あそこまで振ってしまうんで、どうしてもミートができない。ちょっと振りすぎなのを抑える作業が来年春からは大事かなと思います」と指摘する。

 大卒で2011年にプロ入りした柳田が覚醒し、レギュラーを奪ったのは4年目の2014年。柳田が26歳の年だった。笹川はまだ20歳。底知れないポテンシャルを誇る大砲の未来が楽しみでならない。

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)