打者の課題「ずっと一緒」、最終戦は「甲斐野監督」 小久保2軍監督の一問一答全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】

先発の森は5回5安打3失点「まだまだステップアップしていかないといけない」

 ソフトバンクの2軍は30日、宮崎県内で開催中の秋季教育リーグ「宮崎フェニックス・リーグ」でヤクルトと対戦し、1-3で敗れた。来季は先発に転向する森唯斗投手が2本塁打を浴びるなど、5回を投げて5安打3失点。その後は2番手のマイロン・フェリックス投手が2回、3番手の甲斐野央投手が1回を投げ、それぞれ無失点だった。

 打線はヤクルトの竹山、柴田、長谷川の前に5安打1得点に終わった。谷川原健太捕手が2本の二塁打を放ち、チームで唯一のマルチ安打。仲田慶介外野手、正木智也外野手、川原田純平内野手がそれぞれ1安打を放った。この日の試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答全文は以下の通り。

――今日は森投手が5回投げて90球。
「先発に向けて今日は90球ってところ。どうですかね、イニングを投げたことはないんで、そのスタミナのところなんてのは当然ね、このオフから来年の春にかけて上げていかないといけないと思うんで。ちょっと球威が落ちてきたな、というところでは、やっぱファールで粘られるっていう姿があったんで。まあ、もちろん先発なんで2回り目、3回り目はそうなってくるんですけど、まだまだステップアップしていかないといけないんじゃないですかね」

――スタミナ面も含めて2巡目以降の対応が課題。
「そうですね、あとは決め球というか、空振りを取れるボールがあれば、もうちょっと楽になるかなというふうには見てましたけど。左のちょこちょこ当てるバッターに全球当てられたような感じがあったじゃないですか。狙われた真っすぐがホームランとか、それは別にいいと思うんですけど。キャンプも来ないみたいなんで、スタミナアップして、体はだいぶ絞れているみたいなんで、いいオフを、というか秋の練習はありますけど、スタミナつけてほしいですね」

――打線は長打も出たが、つながらず。
「つながるっていうか、もう全くずっと一緒なんで。基本ストレートが今日は巻き上げ系のピッチャーでね『真っすぐを狙っていこう』と言ってバッティングコーチが送り出しているんですけど、カウント球の真っすぐを弾き返すとかはどっちかというと、ヤクルトのバッターの方が全然できているなと思うし、ツーストライクアプローチも全然ヤクルトの方ができてると思う」

「そういう点では、やっぱり同じなんですよ。もう2.5流とか3流ぐらいのピッチャーが来たら、ちょこちょこって打つんですけど、今日も別にそこまで特別じゃないけど、ちょっと真っ直ぐが速いピッチャーが2人続きましたよね。結局、9個か10個三振して、見逃しが8個ぐらい(実際は7個)あったでしょ。ストライクゾーンが広かったと言っても、それはお互い様ですからね。ヤクルトのバッターもそうなんで、その辺は全然変わってこんなっていうのが、もう正直……。今日はもうあきれて何も言わなかったですけど」

――その中で谷川原選手がただ1人、2安打。
「今日、フリーバッティングに投げたら、全然良くなってましたよ。『お、こんなに良くなるんだ』っていうぐらい良くなっていたんで」

――本人も徹底していきたい、と。
「体からバットが離れなくて、すごく近くを回ってきてるバットの使い方に変わってたんで、ちょっと驚きましたね。いい方向で打てていると思いますよ」

――あれだけ振れると長打が出る。
「長打っていうか、練習のときの打ち損じの量がもうはるかに春先よりも少なくなりました」

――ミスショットが少なくなると1軍でも。
「アイツの場合はもう肩と守備はトップクラスですからね。打つことさえできれば、食い込んでいけるチャンスはある。激戦区ですけどね、外野は。それでもチャンスは十分にあると思いますね」

――リリーフで言うと甲斐野投手も好投。今日はカーブも投げていた。
「変化球でストライクを取れるっていうのもそうですけど、早めに追い込んだらバッターは打てないわけですから、あれだけの真っすぐ、フォークがあるんで。一番はフォークの落差がその時によって違うってのが多分、欠点だと思うんで。安定したフォークの落差が投げられるようにやるのが、僕は彼の中で一番大切だと思う。フォークがどうしても出た瞬間にボールからボールでは反応してくれなくなるんで、そこの落差がもう少し」

「明日投げるけど、杉山も一緒なんですよ。同じ日でも落ちるフォークと落ちないフォークの差がちょっとありすぎる。落ちるフォークを投げられるのであれば、その精度を高めて、その時の抜け具合とか、どうやったらそうやってなってるのかっていうところに、もうちょっと自分で微調整できればいいと思うんですけどね。投げた瞬間、全然反応してくれない時もあるんで。横から見てても、やっぱり1回上に浮き上がって落ちるのと、そのままの角度で来るときがあるんで。そのフォークが投げられないなら、話は別なんですけど、投げられるんで、確率を高めてほしいです。甲斐野と杉山はそのフォークは似ていますね」

――2人ともフォークの精度が上がれば結果も出る。
「そりゃそうですよ。真っ直ぐが150キロを超えるピッチャーなんで、そのフォークがあれば、バッターは絶対反応する。曲がり球は曲げるんですけど、抜くときって腕の振りは真っすぐと一緒なんで。どうしても(打者も)反応が出るんで、その反応が出て、どこまでいってしまうのか、『あ、フォークや』って(バットが)止まるのかっていうところですね。ぜひともそれを上げていってほしいですね」

――明日は野手が少ないんですか?
「そう。(川瀬)晃がちょっと今日背中を痛めたんで。もう別に向こうから呼ばないので。もうひと通り、野手はもう(監督を)経験させたので、明日は甲斐野を監督にして。明日投げないんで。ピッチャー出身監督もいっぱいいるわけですから、全体見るのもいいんじゃないですか」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)