高橋礼が5回1失点好投 「来年勝負できそう」小久保2軍監督も復調ぶりに目を細める

日本ハム戦に先発したソフトバンク・高橋礼【写真:福谷佑介】
日本ハム戦に先発したソフトバンク・高橋礼【写真:福谷佑介】

「4、5回の投球を上でもできれば、失点を重ねることもないのかな」

 ソフトバンクの高橋礼投手が、来季に向けて手応えを掴む好投を披露した。27日にサンマリンスタジアムで行われた「第19回みやざきフェニックス・リーグ」の日本ハム戦に先発し、5回を4安打1失点。初回に1点を失ったものの、尻上がりに状態を上げ「2回以降のピッチングができれば問題ない」と自身も納得の投球になった。

 初回1死から安打を許すと、盗塁とバッテリーミスで走者が三塁に進み、内野安打の間に先制点を奪われた。ただ、2回以降は無失点投球。4、5回はテンポ良く3者凡退に封じた。真っ直ぐの最速は138キロをマーク。球速表示以上に力強いボールで、打者を押し込めるシーンが目立った。

「真っ直ぐも変化球も自分の投げたいように投げられてきているので、それを実戦でいかに高い精度でやるか。(4回くらいからは)変化球でもカウントを取れるし、真ん中高めの真っ直ぐも見せ球として投げ切れている。そこで次のボールも投げやすいし、カウントを作る意味では楽になった。4、5回の投球を上でもできれば、失点を重ねることもないのかなと思います」

 今季は1軍でわずか4試合登板に終わり、その全てがリリーフでの起用だった。真っ直ぐの球速、威力が物足りず、コースを突こうとするあまりに制球を乱して悪循環に陥っていた。2軍ではフォームを修正しつつ、真っ直ぐの威力、そして制球の向上に取り組み、ようやく納得いく形が出来上がってきた。「2軍のシーズン最後の方から状態は悪くない」と自信も取り戻してきた。

 この日の投球には、小久保裕紀2軍監督も目を細めるばかり。特に真っ直ぐの威力に注目しつつ「来年勝負できそうな球に戻ってきている感じがしますね、だいぶ手応えある、真っ直ぐで押し込める、高めでフライを取れる、そういう姿がこの数試合ずっと出てる感じはします」と、来季の1軍戦力になり得る存在と期待を寄せた。

 今オフはエースの千賀滉大投手のメジャー移籍が確実で、来季に向けて先発ローテの枠が空くことになる。高橋礼も当然、その枠を狙う1人。「他の人たちも(ローテ入りが)決まっている人たちがいるかといえばそうではないので。自分が下で2年間やってきたことを出して、ラストという意味でも、来年は力を出し切れたらいい。毎年言うけど、来年は勝負していきたい」。2019年に12勝を挙げて新人王にも輝いた鷹のサブマリン。苦闘の2年を経て、来季こそ復活のシーズンにしたい。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)