森唯斗が“志願”のフェニックスL登板 「投げておきたい」先発転向の来季に向け好投

フェニックスリーグで先発した森唯斗【写真:福谷佑介】
フェニックスリーグで先発した森唯斗【写真:福谷佑介】

4回59球、最速147キロに「もっといける感じはした」

 ソフトバンクの森唯斗投手が23日、宮崎県内で行われている秋季教育リーグ「第19回みやざきフェニックス・リーグ」の巨人戦に先発し、4回を投げて1失点と好投した。初回、いきなり先頭打者本塁打を浴びたものの、その後は走者を出しながらも要所を締める投球で、4回までに59球を投じ「めちゃくちゃ悪いわけでもないと思いますし、次につながる投球だった」と振り返った。

 来季の先発転向を見据え、シーズン中に中継ぎから配置転換となっていた森。9月16日の楽天戦で、急きょ先発回避となった奥村に代わってプロ入り初先発すると、9月29日の楽天戦で2度目の先発マウンドへ上がった。クライマックス・シリーズでもメンバーに入っていたものの、1軍がオフの今、あえてフェニックス・リーグで“志願”の先発登板に臨んだ。

 初回、いきなり保科に先頭打者弾を浴びたものの、湯浅、秋広を連続三振に仕留めた。2回も連打で走者を背負ったものの、喜多を遊ゴロ併殺に切るなど得点を与えなかった。3回、4回もヒットを許し走者を背負ったが、そこは通算127セーブを挙げている元守護神。要所を締めて、4回を6安打1失点にまとめた。

 最速は147キロをマークし、59球を投じても「もっといける感じはしましたね。真っ直ぐはそこまで感じは悪くないので、これを続けていってやれるかな、と思います」と、まだ余力も十分。カーブも多く織り交ぜ“先発仕様”の投球スタイルも試していた。

 1軍はクライマックス・シリーズの戦いを終えて、1週間のオフに入っていた。だが、森は一足先に筑後のファーム施設で練習を再開。自ら若手が集うフェニックス・リーグでの登板を望んだ。

「投げておきたいというのがあったので。そこが1番だと思います。球数もそうですし、球数いってからのピッチングっていうのは気にはなりましたし。しっかりバッターと対戦できてますし、四球が1個あったのでそこを無くしたい。今年、多いと言われていたので少なくいきたいと思っている」

 30歳となった元守護神が、志願して上がった異例ともいえるフェニックス・リーグのマウンド。エースの千賀滉大がメジャー挑戦で抜けることが確実な来季に向け、新たな先発の柱となるべく、挑戦をスタートさせた。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)