リチャード“監督”の初采配は「予想以上でした」 小久保2軍監督の試合後の一問一答全文

ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・小久保裕紀2軍監督【写真:福谷佑介】

フェニックス・リーグの巨人戦は緒方の2本の適時打などで快勝

 ソフトバンクの2軍は23日、宮崎県内で行われている秋季教育リーグ「第19回みやざきフェニックス・リーグ」で巨人と対戦し、5-1で勝利した。先発の森唯斗投手が先頭打者本塁打を浴びるも、4回1失点の投球。打線は3回に野村勇内野手、緒方理貢外野手の連続適時打で逆転した。5回にも緒方が適時二塁打を放つと、相手のエラーなどでさらに2点を加えた。

 リリーフ陣も2番手の田浦文丸投手が1回、高橋純平投手が2回、マイロン・フェリックス投手、甲斐野央投手がそれぞれ1回を無失点リレーで繋いだ。この日はリチャード内野手が監督を務め、采配が5回の追加点に繋がり、“指揮官初勝利”となった。試合後の小久保裕紀2軍監督の一問一答全文は以下の通り。

――先発は森投手でした。
「来年は先発するみたいね。真っ直ぐ、カーブ、フォーク、チェンジアップ、カットと球種的にはいいかな。カウント取れるボールはカーブがある。本人もクローザーへのこだわりが強いのはあったでしょうけど、なかなか自分の思うようなボールがいかない中で、本人的にも先発の方の可能性を見出したいということで、藤本監督と何か一致したみたいでね。もうちょっと球速は出てこないといけないのは間違いないと思いますけど、違う景色が見えるんじゃないすか」

――来年に繋がるように。
「そうですね、今の状態でいきなり来年、9回任せられかというと、そうじゃないってことだと思うんで。それはそれで、モイネロがいるわけですからね。藤井の成長ってのもあって、彼にとっては摂津みたいなイメージで、先発に回っても2桁みたいなね。摂津があれだけ後ろでやってて、先発回っても変わらぬ活躍というか、軸で回れたわけなんで、そこを目指していいんじゃないですかね」

――4番手で投げたフェリックスは156キロ。
「いやいや、もうポテンシャルはもうずっと感じていますし、クイックにしてもちゃんと言ったこと、課題に取り組もうとする子ですしね。変化球の精度はもちろん課題ではありますけども、なんと言っても150キロ以上投げるピッチャーは魅力的ですよね」

――小久保監督から見ても能力は高い。
「来年のある意味セットアッパーではないけど、勝ちゲームでって言っても可能性のあるぐらいのポテンシャルがあると思うんで。1軍シート(打撃の練習に)行って来いって言ってあれだけ喜んで。しっかり1軍の首脳陣へアピールすることによって可能性が見出せると思って、喜んで行って、で、ピシッと抑えたみたいですから。そういう何が何でもやってやるっていうハングリーさも持ち合わせてますよね」

――緒方選手も2本の適時打でアピールした。
「そうですね、ちょっと出番がなくてね。30、31、32番(佐藤直、正木、柳町)がこっち来てるんで、なかなか優先順位的には頭で使ってやれないんですけど、今日はなんとか1試合は使ってやろうということで。数少ない打席で結果を残して、試合に出られない中で悔しい部分もあったでしょうからね。やっぱりアピールし続けるしかないんで、休んでる暇はない」

――成長を感じる1年だった。
「去年は1年間リハビリしかしてないんで、1年通して野球ができたということがまず彼にとっては自信に繋がったでしょう。ある程度バッティングは小力もあって、何とか自分の中でもやっていけるっていうものを掴んでいると思うし、足のスピードもあるし。スローイングも一時期に比べたら良くなってきて、MAX125キロぐらいには上がってきたらしいんで、ブルペン投球がね。俺と一緒ぐらいじゃないかな」

――今日はリチャード選手が監督でした。
「予想以上でしたね。決断早いし、先読みもできていたし。今日、(5回に)左ピッチャーで2つ牽制きたあとに(川原田)純平にスチールのサイン出したところは結構ポイントだったと思う。その辺は結構、予想を上回る、何もできないかなと思ったけど、これまでやらせた中での上位ですね」

――野球脳がある。
「それプラスどうしようっていう中でパンと決められる瞬時の決断力がありましたね。他の子たちよりもありました」

――ゲーム全での課題は。
「ゲーム全体はそんなに今日は、終わってからのミーティングも含めてそんなに(なかった)。ただ、ベンチの意図として、牽制が2球来て『ディスボール(このボールで行け)』を出しているから、別に様子うかがって走らなくていいんですよね。リチャードは牽制2球来たら、次スチールお願いしますと言ってるところで、もうピクッて左ピッチャーが動いたらゴーなのに、川原田はいつものようにスタートした。そのぐらいはちょっとやってほしいなって。その前のライトオーバーのときも、あの打球でタッチアップじゃなくて、ヒットじゃないですか。でも、戻ってしまって、野村勇と交通渋滞になって(もう1点が)入らなかった。課題はもう川原田です。そういう打球判断を含めて、もうそれはずっと言い続けてるんで、言い続けるしかないです」

――ちなみにこれまでの監督をランキングにすると?
「リチャードはもう1位か2位ぐらいかもしれないかね。緒方も意外に良かったですね。正木もそうですけど、その3人ぐらいは上位に入っている、という感じです」

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)