先発再挑戦の初戦で6回パーフェクト 鷹・板東湧梧が取り戻しつつある本来の姿

ソフトバンク・板東湧梧【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・板東湧梧【写真:上杉あずさ】

「今シーズン始まる前から先発っていうのは自分の中でも思っていたところ」

 ソフトバンクの板東湧梧投手が30日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグの阪神戦で先発し、6回パーフェクトと好投した。初回を3者凡退に封じると、6回まで1人の走者を出さない完璧な投球を披露。先発再挑戦となって最初のマウンドで好投し、今後への期待を抱かせるピッチングとなった。

 試合後、板東は報道陣に対応し「今日の試合でここかな、っていうのがさらにつかめたかな」と大きな手応えを得た様子。試合が進むにつれて、武器であるカーブでカウントを整えられたことにも好感触があったよう。板東のコメントは以下の通り。

――久々の先発。
「久しぶりだったのでちょっと緊張したんですけど、(試合の)入りから3者凡退でいけて、守備に助けられたりした部分もあるんですけど、そこで乗っていけた。そのまま自分の課題に向かってしっかりやろうとやった結果がよかったかなと思います」

――カーブで組み立てていく。
「それも前半、カーブでストライクが取れなかった部分もあったんですけど、そこでも『しっかり使っていこう』と石塚とも話して(サインを)出してくれたので、そこで自分のリズムをつかめたかな」

――後ろで投げるときとは意識など変えているのか。
「逆に、先発ってなるとちょっと球速が落ちたりしてしまう部分はあるんで、そこはもう中継ぎのつもりで自分の中ではいってますね。1イニング1イニング」

――1軍からの要請があっての先発。
「2軍っていうことを言われて、何をするべきかと考えた時に、自分としてはもう『どこでも行ける準備をするしかないな』と思った。そこで今シーズン始まる前から先発っていうのは自分の中でも思っていたところではあったので、とにかくやろうという感じでした」

「体の使い方で見直す部分があったので、そこに向かって取り組んだ」

――前回4イニング投げてからの過ごし方は。
「前回の登板の前からもそうなんですけど、投球フォームでまだつかめていない部分があったんで、そこをとにかく修正というか……。体の使い方で見直す部分があったので、そこに向かって取り組んだ結果、今日の試合で『ここかな』っていうのがさらにつかめたかな」

――パーフェクトだったので、もう少し投げたかった?
「いや、自分の中でもう球数も80球ぐらいと言われていたし、そこには到達してないですけど、やっぱり疲労というか、バテてきている感じがあった。そこは『ありがとうございます』って感じで。パーフェクトしてる感覚はあったんですけど、9回はないだろうなって、逆に開き直っていけました」

――トルネードでやっていた時期もあった。
「自分の中では変わらないんです。ひねっているつもりもあるんですけど、それがちょっとひねれなくなってきた時期も今年初めの方にあって。2年前の、ひねり始めた頃の映像を昨日、おとといに見始めて。それでちょっとリズムをつかめたなって。それで勝手にひねれているのかなという感じ。手の感じというよりは、右足の感じがそのリズムを取ったら勝手にひねれている。そこのタイミングが合っている感じです」

――今日こういう好投ができたっていうのは。
「立場的にはもう結果を出して、いいイメージを自分でアピールしていくしかないので。どこで使われるか分からないですけど、自分のできることをとにかくやって、課題を克服していくだけかなと思います」

(取材・米多祐樹 / Yuki Yoneda)