鷹・板東湧梧が次戦から先発に 見えてきた復調への光「迷い過ぎた部分あった」

ソフトバンク・板東湧梧【写真:上杉あずさ】
ソフトバンク・板東湧梧【写真:上杉あずさ】

24日の2軍オリックス戦で4回無失点、1軍からの指令もあって次回から先発に

 ソフトバンクの板東湧梧投手が24日、タマスタ筑後で行われたウエスタン・リーグのオリックス戦で4回無失点の好リリーフを見せた。1点ビハインドの6回からマウンドに上がると、危なげない投球で試合を締めくくり、4回3安打3奪三振無失点0四死球と好投した。

 6月6日に出場選手登録を抹消された板東について、田上慶三郎2軍投手コーチは「調子が悪い」とその理由を語っていた。降格後に登板した2軍戦の2試合では、共に失点しており、持ち味の制球力も鳴りを潜めた。「コントロールが生命線なのに、そこが乱れてファームに落ちてきて。先頭への四球も多分2回連続くらいでやっている。それをしていると話にならないんで、しっかり自分の投球ができるように意識して今日まで取り組んできました。それがしっかり出せたのでよかったです」と振り返った。

 今季は1軍でも状態が上がらず、密かに苦しんでいた。「いろいろ悩んだりして考えて、いろんなトレーニングもしてきました。本当にいろんなことを試したんですけど、それがやっとハマってきたというか。自分の中でも整理できてきたかなっていうところですね。ごちゃごちゃになって迷いすぎた部分もありましたが、そこがちょっと見えてきたかな」と、ここにきてトンネルを抜け出す光が見えてきた。

 カギとなったのは上半身と下半身のバランス。「軸足の使い方っていうか。そこのバランスが悪かった。上と下の連動性というか、そこがずっと上、上だったんですけど、右足が自分のポイントだなというところに気付きました」と板東。長いイニングを投げたことによっても、手応えをより感じることができた。

 自身の状態が上がっていく段階で得られる良い感覚がこの日の登板では感じられたという。複数イニング投げるのは4月6日に1軍で2回を投げて以来。4回は今季最長だったが、そこに不安はなかった。「後半で少しバテてしまった」というが大きなキッカケを掴む一戦になった。次回は1軍からの指令もあり、先発として登板する。より長いイニングを投げるために課題と収穫も口にした。

「課題はカットボール、カーブの精度。カーブでストライクが取れなかった。最後取れたんでほっとしましたけど、そこら辺の精度を高めていきたいですね。(ピンチで相手中軸に対して)ボール先行になったんですけど、自分はそこからが持ち味だと思っているので、ピンチのときにボールカウントからでもしっかり打ち取る。そこはすごい意識して、自分の中で集中して投げられました」。復調の兆しが見えてきた板東。先発挑戦でまた新たな姿を見せてくれるはずだ。

(上杉あずさ / Azusa Uesugi)